かくて魔王は降臨す
僕が魔王?
コフィの言葉に、僕は、ビックリした。
したが…。
自分の記憶はまるで無い、とはいえ、僕は、自分が二一世紀の日本生まれだと知っているし、魔界も地獄も、全く知らない。
なによりも…。
魔王と聞いても、何の記憶も甦らないところを見ると、コフィたちの妄言は間違っているのが明白だ。
だが…。
その情報は、詳しく知っておいた方が、スピン教団とのこともあるから、いいだろう。
僕は、リストを見て、捕縛、というマジックを使ってみた。
きゃあ!
叫び、コフィとトムトムは、空中に浮かんだ。
「今、面白い話をしていたよね。
詳しく知りたいんだけどな」
コフィは、盗み聞きしていたのか!
と、怒鳴ったが、僕は、頷いた。
「そう、盗み聞きしたよ。
でも、自分の事なんだから、悪くないよね。
知ってることを話してよ」
嫌だ! と、コフィは拗ねたので、僕は捕縛したまま、飛行、というマジックを使ってみた。
コフィは、急に空中十メートルまで急上昇し、悲鳴を上げた。
僕はトムトムに、向き直った。
トムトムは、静かに首を降って、話そう、と言った。
「そもそも君は、ユアン七神の事は知っているのかい?」
僕は、知っている、と答えた。
「スピン教団という、狂信的宗教団体があってね。
魔王ヘーラを、この世に召喚するスペルを使ったんだ」
僕は、リストで調べてみた。
確かに…。
リストの最後に、魔王召喚というのがあった。
マジックポイントを九九九使う魔法。
唯一、僕が使えないマジックだった。




