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3ー12

バルク・ロザ・オビは、話しを聞こうと確かに口にしたはずだった。


なんで、こんな状況になっているのか、瑠璃には、理解できないけれど。


瑠璃はカイラスに抱きかかえられるかたちで、その筋肉質な太ももの上に座らされていた。


なにも、こんな密着した状態で話しをしなくてもいいはずだ、と、口を尖らせる。


瑠璃の内心の不満に気付いたのか、カイラスが、しれっとして


「このあいだのように、逃げ出されてはかなわないからな。」


と、瑠璃に言い聞かせるように、口にした。


そして、瑠璃の髪を撫でたり、瑠璃の背中を優しくあやすように叩いたり、なんだか、話を聞く気があるのか、あやしく思えてきた。


「ようするに、マナナ寺の現状をわたしに

どうにかして欲しい、と?」


瑠璃は、カタコトでなんとか、訴えた。

コクコクと頷き、カイラスに応える。


カイラスは、瑠璃の視線をとらえながら言う。


「ルリがあることを承諾してくれると、なぜか、わたしの気分は良くなって、マナナ寺に大層な額の寄進をしたくなると思うのだが。


なにせ、わたしは、バルク・ロザだからな。

マナナ寺くらい、すぐに建て直せる。」


瑠璃に向けた笑顔は、にこやかではあったが、「否」を言うことは認めてはいなかった。


カイラスが、先ほど、瑠璃から受け取った金環を手にしていた。


そして、瑠璃に差し出した。


「これは、生涯、おまえを護るものなのだから、二度とはずしてはならぬ。」と、言い添えた。


金環を手にし、おずおずと瑠璃は左手にはめた。


カイラスは小さく溜息をつき、瑠璃に肯いたのだった。


上手く、カイラスに言いくるめられたような気がするのは、間違いだろうか。


だけど、すでに、瑠璃の左手には、あの金環が、また、はまっている。



ーカイラスに金環をもらう意味を知ったのは、瑠璃がオビ語を流暢に話せるようになってから、ずいぶん、時間がたってからだった。













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