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約束した時間に城に着くと、領主との面会方法の細かな作法を、昨日、執務補助をしていると名乗った ナオに教えられた。
領主は、バルク・ロザ・オビで、日本語に訳すと、オビを守護する一族のものという、偉いひとのなかでも最高に偉いひとだということだった。
日本の中流家庭に育った自負がある瑠璃には、どのくらい偉いのか、想像もつかなかったが。
通された応接室の応接セットは、趣向を凝らした精緻なデザインがほどこされ、見るからに高そうなもので、瑠璃は、傷つけないように気をつけよう、と誓った。
弁償なんか、できない...。
領主が応接室にあらわれたら、顔を下げ、許可が与えられたら、顔をあげる...
ナオに教えられた作法を頭のなかで、繰り返しシュミレーションし、領主があらわれるのを緊張しながら、待っていた。




