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12ー9

陽が暮れて、ブラックウォードの街中からひとびとが帰路についたあと、いつものように

辺りに静けさが漂い始め、街の要であるブラックウォード城だけが、その存在感を示していた。


いつもと違うのは、この場所を目指して帰ってくるもののために、城門の灯りが明々と焚かれていたことだった。


カイラスは見慣れた城門への道に馬を進め、

門の内側で門番をしていた衛士に、大声で短く告げた。


「戻った。今すぐ、門を開けよ」


その声に応えるように、あいだを置かず、閉ざされていた門が開くと、門が開ききる前よりも先に、滑りこむように門のなかに、その身を入れた。


城内の気配の変化が、やはり、なにかが起きていることを、カイラスに感じさせていた。


城内は「表」を抜けないと、ルリがいる「奥」には、辿りつけない。


「表」から「奥」へ続く廊下を早足で抜けながら、ルリの与えてくれた飾り帯に触れた。


バルク・ロザが身に着けなければならないカイラスの太陽紋があしらわれた豪華な飾り帯ではなく、ルリがカイラスのためだけに作ってくれた飾り帯が、カイラスの不安を鎮めてくれる気がして、ラシットに、ルリの飾り帯を用意させて、身につけた。


ヴァスキュラの一流の職人たちが、カイラスのために作った上品とは比べものにもならないが、その飾り帯には、心がこもっていることを知っている。


「奥」の精緻な細工が施された扉の前に立って、カイラスは声をかけた。


「マリィ。私だ」


カイラスが、いつもとおなじように声をかけると、


その扉は内側にひかれ、カイラスの前には、表情を曇らせたマリィが立っていた。



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