新世界1-3 ゾンビ対策と拠点バリア
新世界、初戦の詳報はまだ分からなかった。
こちらから横須賀本部に報告をあげる。
『こちら十王子よりツバメ、横須賀本部どうぞ』
『こちら横須賀、三上だ』
『能力発動しました。1キロ圏内の敵の識別と即時殲滅は可能です。作戦に組み込んでください』
『了解。かなり有効だな』
『ゾンビによる負傷や通常のケガも同条件で治せますが制限時間があります。時間の詳細や治せるケガの程度などは確認中です。以上』
『わかった。共有ありがとう』
報告を終えてテーブルに戻る。
「ナビィ、能力譲渡についてもう少し聞いておきたいんだ」
「いいよん♪」
「おぉ! ナビィか」
「そうだよー!トミーよろしくね!」
「トミーはやめてほしいのだが。まあそれは後でゆっくりな」
「どうやって渡す? 適正? 適性っていってたっけ」
「まず受け取れるのは魔法に覚醒した人だよ。それから渡す人と受け取る人の相性が大事」
「属性とか? ならオレは全部持ちだから……」
「あー、そういうのもあるけどね。ちょっと違う」
聞けば、例えば「水」しか使えない相手に「炎」を渡そうとしても、譲渡できないか、できたとしてもせいぜい生活魔法レベルらしい。
「それよりも『絆』っていうか『縁』っていうか、そういう『つながり』みたいなのがめちゃくちゃ影響するんだよね」
「ホーリーかキアリーを広めたいんだ。何とかならないか?」
「さっきも言ったけどヒーリング系はもともと使い手が少ないんだ」
「適性者の見つけ方とかあるのか?」
「マップから個人選択。簡単なステータスが見られるからそれでわかるよ♪」
魔法の世界なのにヒーリングが厳しいとか無理ゲーすぎる。
小説やアニメならむしろイージーなイメージだったのだが。
そんなことを愚痴っているとナビィが気になることを言った。
「だからポーションとか薬草をつかうんだよ♪」
「! どうやって作れるんだ?!」
「まだ魔素が少ないから薬草は育たないと思う」
「そうか……瞬間移動を願えばよかったな」
「あ、あとドロップだ、こっちにも出るのかな」
「ドロップ? あのモンスター倒すと時々出るってやつ?」
「ソンビからも薬草とポーションは落ちるはず。稀に毒ポーション。それはゾンビ化に効く!」
「冨川! 議事堂チームに至急指示出してくれ!」
「わかった!『十王子司令部より緊急!――』」
「こっちにドロップの概念があればなー。ひとつでも見つかれば『コピー』が使えるよ♪」
「捜索させてる。あるといいんだが」
「あ、そうだ。拠点のバリアは確認できたか?」
「ああ、効いてるぞ。視認はできず、強度も詳しくは判らないが外からの銃撃には耐えたそうだ。中からの攻撃は問題なくできた」
「設定前だからマスターの知ってる人しか出入りできないよ。気をつけるように伝えたほうがいいかも。戻れなくなる人が出ちゃうよ」
冨川はまた急いで席を立ち拠点に連絡を入れた。
「ナビィ、設定ってどうやるんだ?」
「いまやっとく? ここのは出来るよ」
「頼む」
「拠点設定って言ってみて」
「おぉ、なんか出た。やってみるよ」
ステータス画展が拠点設定に切り替わった。
確かに出るのは自由だが入るのには制限がかかっている。
今はマスターの仲間、か。
あとは登録制も選べるみたいだな。
とりあえず拠点の防御はアナログで対応できる。
解除してモンスターの出入りのみ不可にする。
「ナビィ、モンスターのみ出入り不可にしてみたんだけどこれでいいかな」
「ん、大丈夫♪」
「あとサブマスターがあるんだけど」
「トミーにでもしとけばいいんじゃない? 遠隔操作をオンにしておいたら次からどこからでも変えれるよ」
「便利だな! トミー、お前サブマスな! 拠点設定って言ってみな」
「ん、『拠点整備』――? なんか出たぞ」
「ええー! もう画面だせたんだ。すごーい! トミー能力者じゃん!」
「まじか! トミー、ステータスっていえ」
「『……ステータス』――ほぅ」
「なんか淡白だねー。もっと喜べばいいのに」
「トミーはこういうやつだ」
冨川はすでに能力を覚醒させていた。




