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9-⑭ 12月31日 1 この世界の最後の日



12月31日 深夜0時。

日付はついに大晦日へ。


最後の歪みは北海道の旭川だった。


予想待機させていた部隊に改めて旭川防衛を指示して私は会議へ臨むのだった。


河東さんとの別れを噛みしめる時間はない。

親父は満足して逝ったのだ。

私は親父との約束を守る。

私は世界を、救う。


――――――――


最後の歪みを把握して各国はまず自国の最終調整を進める。

そして2時間後、首脳会議を開催した。


参加国は日本、アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、ドイツ、トルコ、韓国、台湾、フィリピン、そしてロシアだ。


ハリソン大統領と落合総理の熱心な声かけに応えてくれた国々だ。

最後にロシアが加わったのは驚いた。

もう少し早く彼らが参加していれば共産圏からも参加は増えたのかもしれないが、参加表明に期限はない。

明日からも仲間は増えるはずだ。


この12カ国は新世界同盟と名付けられた。


カウントダウンからホットラインをつなぎ、最新情報と各国の情勢を常時共有することとした。

同時に、日本とアメリカに各国の大使が駐在してすべての情報を集約する。

それを精査してから公式情報として世界へ発信していくのだ。


朝7時、首脳会議が終わる。


そして8時。

新世界同盟の軍隊、いわば世界軍への緊急放送を開始。

すべての事実を開示した。


目立った混乱は、ない。


二日前に世界同盟が発表されていたからだろう。

それまでに世界規模で行われた避難計画や緊急事態宣言などは、最初は混乱を生んだが同時に明らかに何かが起きることは予想されていた。

改めて事実を知り、それで逃げ出す兵士は皆無だった。


そして国民にも同時に緊急情報がもたらされた。

世界規模で未確認のモンスターが大量発見されたという形である。

未知のウイルスの危険があることから一般人は接触を避けるよう通達した。


これに対して世界同盟を結び、世界軍も結成して対応にあたっているという情報も与えてパニックを抑えたのだった。


日本では国民の移動も速やかに進んでいた。

大型で凶暴な未確認生物が大量に発見されたという限りなく真実に近い情報により、これまで避難に応じなかった者も慌てて移動を開始した。


予告通りに18時より戒厳令を発令する。


それに合わせて私は大胆な収納を進めていった。 


事前に押さえていた倉庫類、廃棄されたプロパンガスの巨大タンク、備蓄していたフェンスや防壁など、人目を気にせずどんどん収納を進めた。

それらを森ノ島と熱山、清山へ配置する。


これでいよいよ拠点は完全な完成を迎えた。

カウントダウンにはなんの不安もない。


「みんな、すぐに拠点に敵が押し寄せるなんてことはないはずだからな。まずは住民を安心させていつも通りの生活をしてくれ」


頼もしいメンバーたちは不安など微塵も見せず、私を見送ってくれた。


私は冨川とヘリで横須賀へ向かった。


日本政府の機能は、2日前から新世界情報局として横須賀米軍基地に移管をしている。


本来であれば防衛大臣である私も横須賀にいるのが望ましいのだろうが、私は東京拠点でカウントダウンを迎えることにしていた。


新世界と同時に世界最高戦力として、単独での遊軍活動が認められていることもあるが、なにより世界が交わる最前線に身を置くべきだと思ったのだ。


安全な場所で冷静に指揮を執るべき人間と、最前線で戦うべき人間がいて、私は後者だ。


能力を隠さず解放できる新世界では私の役割は間違いなくアタッカーである。


知り得たすべてを作戦本部に報告して作戦を立案、修正してもらい世界へ通知してもらうのだ。



時刻は21時。新世界まで、あと3時間となった。


私は落合総理と三上幹事長、仁田副司令官と最後のすり合わせをしていた。


「横須賀を宜しくお願いします。仁田副司令、隊の指揮を預ける。頼むぞ」


「ハッ!お任せください! 無事の帰還をお待ちします」   


「その時がくれば私はひとつの駒だ。遊軍として指揮してくれ」


「ツバメ専用の回線は常に確保する。密に連絡を取り合おう」


「では失礼します! ご武運を!」


私たちは東京拠点へ向かった。


拠点の指揮は冨川に任せる。

ここは東京の要救助者を救出して安全地帯へ送り届ける要所で、配置されたスタッフは自衛隊と在日米軍の精鋭ばかりだ。


私はカウントダウンゼロとともに歪みの中へ突入してゾンビを殲滅する。


それに合わせて沢木のスーパースタリオンで救助活動を行う作戦となる。

拠点から安全地帯への移送はタモのスーパースタリオンが担う。


まずは初撃をどれだけ抑えるか。

世界を守る最初の日が始まる。


カウントダウンが進む。



そして新世界が始まった!

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