6-2 業界人、最強クラスの味方を得る
一気にその場を楽しめるようになった。
私も冨川も自然体で大御所たちと酒を酌み交わす。
そこにはもう遠慮も躊躇もなかった。
「なんじゃお前ら、ようやく河東の息子らしさが出てきたのう!」
「芳田のせいだろ。お前が来るまでは楽しそうにしてだぞ」
「いや、三上も大概だった気もするがね」
「負けを認めたらすっきりしましたよ」
「冨川のいうとおりです。参りました」
5人で楽しく、美味しく、ゆっくりと、食事とお酒をいただいた。
「さあそろそろ真面目な話をしようか。頼みは簡単なことだ。ツバメと冨川が私の跡を取る。どうかこれからは私の代わりに面倒をみてやってくれ」
そうして河東さんはあぐらのまま頭を床につけた。
私たちも慌てて正座をして頭を下げた。
「わかっている。任せてくれ。守ってみせるよ」
「当たり前じゃ。ここに来たのはそういうことよ。任せちょけ」
「「ありがとうございます。どうか宜しくお願いいたします」」
「うん、よかった。これで心おきなくあっちに逝けるよ。まだしばらくは私も支えるけどな」
そして河東さんは私の顔をみる。
「わかりました。時間を少しいただきます。おふたりにお話しておくことがあります」
そして私はすべて告げた。
あの日起きたこと、もうすぐ起きることを。
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「ほう。こりゃ便利なもんじゃの。すげえぞツバメ。こんど仕事投げてええか」
「冗談いってる場合じゃあないな。立派な戦略兵器だよこれは」
「もしツバメが守るものを選びさえすれば、なんの助けも無用だ。だが彼が望んでいるのはそうじゃない。全てとはいわずとも不特定多数を救いたいと思っているんだよ。彼は日本を救うつもりでいる」
「いえ、ツバメはたぶん世界を守ろうと考えてますよ」
「正確には、向こうの世界もです。まあ交じって見ないと分かりませんけれど。彼らが単なる侵略者なら簡単なんです。叩き潰せばいい。でももし本当にこの現象が神様のいう通りなら、彼らは混ざりたくて交ざるんじゃない。彼らにすれば我々のこの世界が侵略者に見えるのかもしれませんから」
「理屈はそうじゃろうがそうも簡単にいかんじゃろうな。気持ちはわかる。でも―――厳しいのう」
「ええ、綺麗事ですからね。平和主義で仲間を守れません。危険が及ぶなら、私は彼らを躊躇なく殺します。冷酷ですが優先順位は守ります」
「それでええ。そこは絶対にブレんな」
「どうなるかわからないのだからまずはカウントダウンまでだね。どの国もこれを知ればツバメくんを盗りに来るだろう。もし盗れないなら潰すだろう」
「今日で結論が出せるとは思ってません。ですがおふたりが本当に私を認めてくださるならお願いがあります。三上さんには知恵を。芳田さんには力を。どうかお貸しください」
「わかったよ。魑魅魍魎の政治から君たちを守ろう」
「絶対的な武力を貸しちゃる。任せとけぇ」
「三上も芳田もありがとう。私も間に入って息子を守る。よろしく頼んだよ」
顔合わせは無事に終わった。
私たちはいま日本で得られる最強の力を得たという確信があった。
気になるのは裏切りと敵対勢力のことくらいか。
「これだけのことだからね。わたしが動くなら知る者も出る。そして弱い者は何をするかわからない。政敵もいるからね。先行して協力してくれた防衛大臣の動きも影響するかもしれないよ」
「ウチもそうじゃ。弱えヤツは逃れようとしよる。纏めるつもりじゃがそれでも何かしでかすやつは出ちまうかもしれねえ。そしてオレたちにも敵はいるけえの。気をつけにゃいかん」
最後にもらった忠告を思い出す。
でも大丈夫だ。最強の味方を得たのは紛れもない事実だ。
ともあれ、あれはバケモノだった。
つかれたー! 今日は寝る!!
三上 豊 70歳
日本推進党の幹事長。
現在の国政を動かすキーマン。
芳田 肇 70歳
日本最大の芳田組元組長。
現在はその世界からは身を引いている。




