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サビ付き英雄譚【打ち切り】  作者: アッキ@瓶の蓋。
研究者と妖精の緑の書

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42/90

魔王軍とはどのような存在であろうか

今回はかなり短めです。

「――――我が同朋がこの世を去ったようだ」


 ――――暗く暗く、全ての者が見捨てて諦めてしまった世界、その名もムスペルヘイム。

 その王にして神、《魔王》アマデウス・ノーニーズは深い言葉で声を出していた。


「《埃神官》ユーリ・フェンリーは自分の演目を達成し、彼を倒せし者にとって丁重に葬られた。

 そう、彼の望みであるあらゆる者に読まれると言う――――《忘れらない》という想いを胸に秘められてな」


 素晴らしい、と感嘆の声を放つアマデウス。


 彼が率いる魔王軍。

 全ての人間を巻き込む、大きな事件を引き起こすために結成された者達。

 魔王軍に所属する者全員が全員、事件を起こしたい想いがあり、その筆頭たる彼は仲間の死を残念がらない。何故なら、それこそが我々の組織の存在理由なのだから。


「とは言え、四天王の一角たる《埃神官》ユーリ・フェンリーが消えた事は嬉しい事ばかりとは言えないな。今回、彼を倒した者はなんと言う名だ?」


『ジェラルド・カレッジと言う名の騎士です。とは言え、彼は人形の魔物に宿っていますが』


 《魔王》の問いに答えたのは、黒い影のような丸い球体のような身体の男。

 その男は身体と同じような丸眼鏡をクイッと上に上げながら、《魔王》にそう進言する。


「ジャラルド・カレッジ……どこかで聞いた名だな」


『はい、この間《蒼炎》が魔法……いえ、能力を使って奪い取った身体の持ち主です。

 次に落とす国がその者の彼が必要だからと言う理由で、奪い取っていたはずです。とは言えども、あまりにも熱血すぎてまだ騒動を起こせていないようですが』


「熱血な男は止めておいた方が良いのは、今後の教訓にすべきだな。今後は《蒼炎》に注意さすべきだろうな。

 ……だけれども今回の件では、ジェラルド・カレッジのおかげで《埃神官》の目的が果たせたようだし、彼は我々の救世主になりそうだ」



 彼らは魔王軍。

 普通の魔王のように世界征服や人類滅亡などを企まず、ただ自らの存在を証明するためだけに存在する者達である。



 その一方で魔王軍と《魔王》アマデウス・ノーニーズが注目している、ジェラルド・カレッジ一行はと言うと、《埃神官》ユーリ・フェンリーが消えた後に残った本を図書館に寄贈した。

 そして新たな仲間としてインヴィディアを加えた彼らは言うと、その足でヴォルテックシアの王都へと歩みを進めていた。


「うふふ、今度は王都で王国相手に何かするのかな?

 このインヴィディア……いや、ユーリ(・・・)フェンリー(・・・・・)は楽しませて貰いたいですね」


 まさかインヴィディアの中に、ユーリ・フェンリーの精神が宿っていると言う事態に陥っているとは、この時の彼らは知る由もなかった。

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