1時間目 3年4組
俺はとある街で生まれ、千葉県のとある街で育ち、そして現在14歳になるまで生まれた街の中では、まぁ都会であるところで生活をしてきた。
俺の名前は白崎乃蒼自分では女みたいな名前だと思っていて、あまり気に入っていないが友達から名前を馬鹿にされたりしたこともないしなんだかんだいいのかなと最近は思い出している。
そんな俺も今年から三年だ。教師からは2年の時から「あなたたちは受験生です」とか言われ続けられ、正直耳が痛い。
俺を含めた学年のみんなは「その辺の高校定員割れてるから何とかなるだろ」と話してるから正直まだ受験生の気分ではない。
ここまで俺について説明をしてきたが正直こんなのはどうでもいい。本番はここからなのだから。
今日は運命の新クラスの発表の日だ近所に住んでる仲のいい連中とくだらない話をしながら学校に向かった。
「みんな同じクラスだといいよな」
「まぁクラス違くても絡むけどね」
話の内容はこんな感じ。普通だ。
学校は思っているより近いから10分もあればすぐに着く。
校内に入ると学年主任や担任団が2年の時のクラスの列で並ぶよう指示をしていた。
一緒に登校した連中全員が二年の時同じクラスではないので、それぞれ別れた。
周りもやはりざわついている、当然だなんたってこれから1年の自分の生活が掛かっている大事な日なのだから。
神に祈るやつもいれば、結構ガチ寄りな予想をするやつもいたり、興味無さそうに座りながら寝てるやつもいた。
学年の生徒が集まりきったのを見計らって学年主任が話を始めた。
これから新クラスの名簿を三年教室のある2階に向けた階段に貼るから各自教室に入るように、といった話だ。
かくいう俺もかなり緊張している。2年の時のクラスも悪く無く、かなり楽しいクラスだったから少し名残惜しい気もしたけど新クラスに期待がないと言えば嘘になる。
階段の方に列になって向かっていくと階段の方から俺の名前を呼ぶ奴がいた。
「おい、乃蒼またかよ〜」
まだ名簿を見ていないがあいつとクラスが同じということはすぐに分かった。
あいつの名前は相田宗心保育園に通い始めた年中の時からずっとクラスが一緒で嘘を言われてなければ今年で同じクラスで過ごす11年目が確定した。
俺たちは特別仲が良い訳ではないし、なんならお互いをあまり好いてない。
宗心は生徒会に所属していて周りからの指示もなんだかんだ高い。正直ちょっとだけ尊敬している。俺もあいつみたいになりたいと思ったことがあるから…
とうとう名簿を見る順番が回ってきて心臓をバクバクさせながら自分の名前を探した。
「あった」と、そう言葉が口から自然と出てきた。
俺の名前は4組にあった。いつも宗心の名前は最初の方にあるからそこを見ればすぐ分かるのだが、あいつは別に嘘もついてなく普通にまたクラスが一緒だった。
教室に行くと見知った顔も入れば初めてクラスが同じになるやつもいれば1年の時だけクラスが一緒のやつも何人かいた。
自分の名前と宗心の名前以外ちゃんと見てなかったから分からなかったが、正直…「結構よくね?」
またしても口から言葉が出た。
自分の席に座ると隣には近所に住んでいて今日も一緒に登校してきた佐藤琉久がいた。
琉久は頭がめちゃくちゃに良い。これだけ聞くと気難しいようなやつに思われるかもだけど、めっちゃゲームしたり変なことしたりもする面白いやつだ。
こいつがいるだけで友達問題は解決した。
「まーじで良かったわ。今年もよろしくな」
「ほんとそれな。またよろしくな」
そう言って握手をして、クラスメイトについて話し出した。
「結構話せるやつ多いよな。なんだかんだ涼介のために作られたクラス感あるしな」
「たしかに」
細田涼介俺と迅の親友のことだ。あいつがまだ学校に通っていた時はクラスが違くても3人でずっといるほど仲が良かった。
だが、あいつは一年のときの運動会の前くらいから突然学校に来れなくなってしまった。本人曰く特に理由がある訳じゃなくて体が学校を拒絶するとか言っていた。
3年の初日でもしかしたら!と思ったけど、あいつの姿は今日もここにはない。期待はあまりしてなかった、でも少しの可能性を信じていた分、残念な気持ちはやっぱりある。
そんなこんなでクラスメイトが涼介を含む数人の不登校者を除いて教室に入り自分の席に座った。それと同時くらいに担任になる先生が教室に入ってきて教卓の前に立ちあいさつをしてHRが始まった。
「皆さんの担任になりました渡邉です。よろしくお願いします!今日から皆さんはこの3年4組の仲間です!みんなで最高の1年にしましょう!」
体育会系。その言葉の典型例のような人だった。先生は自己紹介を軽くしてすぐにプリントを配り始めた。
それは先生の自己紹介とクラスの名簿の書いてある保護者に向けたものだった。
なんだかんだクラスに誰がいるのか、まだしっかりわかっていなかったから俺は先生がなんか話しているのを軽く聞く程度に耳を傾けて、ほとんどの意識をプリントに注いだ。
ぱっと見た感じわかったのは29人クラスということ。都会の人からしたらかなり少ないのかもしれないけど、この辺では普通くらいの人数だ。
名簿を見ると予想以上にいいクラスだと思った。正直嫌いな奴も1人いたがそこまで気になるほどではない。
そんなこんなでHRが終わってちょっとしたレクの時間がやってきた。クラスの人と早く仲良くなるためと先生が言って4人くらいずつのグループを作らせてトランプを配って行った。
グループのメンバーは琉久と去年クラスが同じだった菅沢梨空と1年の時にクラスが同じだった椎野瑠南だった。
みんな見知った中だと思っていたが琉久と瑠南は初対面らしく改めて簡単に自己紹介をしようと瑠南が提案をしたからサッと、自己紹介をしてトランプで大富豪をした。
琉久は学校にいる時は真面目なタイプでやっているから結構落ち着いていたが女子2人は大きい笑顔をして大富豪を楽しんだ。
「え〜また〜」
「はい〜また俺が大富豪〜」
3ゲームくらいやって俺は全て大富豪になった。結構1年の時からやっていたため勝ち方は何となく掴めている。
「乃蒼少しは女子に優しくしろって〜」
「そーだぞー」
梨空と瑠南の2人が俺にそう言ってきた。こうやって話せているのが正直めちゃくちゃ楽しかった。
単純に男としてこうやって女子と盛り上がれて嬉しいってのもあるが、俺は梨空のことが少し気になっている。
何故かこうやって話しかけてもらえると他の女子と話してる時とは違った感情になる。それに瑠南もかなり顔面偏差値が高い。こんなの男に生まれたら全員楽しいと思うに決まってるじゃないか。
そんなこんなでレクの時間が終わり始業式をして3年4組で過ごす1日目が終わり琉久と2人で帰路に着いた。これから始まる中学校生活最後の生活に期待を膨らませながら。




