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ダンジョンマスターは魔王ではありません!?  作者: 静電気妖怪
1章〜異世界の地に立つ者達〜
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27話「侵入者2」

レイジ達は急いで円形広場までやって来た。


「それで、貴方様どうなさるのですか?」

「そうだな...」


パンドラの質問にレイジはダンジョンのマップ画面を開き考えた。


そして、レイジは侵入者に対し違和感を感じた。


「うん?これは...偶然か?」

「どうなさったのですか?」

「ああ、この侵入者達どうやら3人なんだが...」

「まあ、人数までわかるのですね」

「いや、問題はそこじゃない...」

「でしたら何があったのですか?」


レイジはしばらく侵入者達の行動を確認し続け、結論を出した。


「間違いない。コイツら一直線でこっちに向かって来てやがる!」

「そ、それはどういう...」

「進行速度が速いのはおそらく足止めをする魔物達がまだ生み出されていないからだろう。だが...」

「...?」

「どうしてコイツら一回も道を間違えることなく最短ルートで向かって来れるんだ...?」

「それでは...」

「ああ、どういう方法でルートを知ったのかは分からんが...来るぞ!」


レイジの言葉のいい終わりと同時に円形広場のもう片方の入り口の扉が開かれた。


◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾


ー洞窟前ー


レイジ達のダンジョンへの入り口前に3人の人影があった。


「本当にこんなところにダンジョンがあるのか?」


1人は175cmほどの金髪の男だ。

その体は細身だが、しっかりと筋肉をつけている。

左右の腰には二振りの西洋型の両刃一振りずつ帯刀し、体の急所には金属の防具を着けている。


「はいはい、ちょっと黙るのガレス。まだこの子の説明は終わってないでしょ?」


1人は170cmほどの女性。

綺麗な藍色のローブを羽織り、頭には同じ色のとんがり帽子を被っている。

手には一本の身長と同じくらいの先端に青色の宝石をつけた杖を持っている。


「チッ」

「では、改めて説明いたします」


1人は165cmほどだ。

深くフードをかぶり、全身をローブで隠しているため性別は分からない。

さらに、声も中性的であるためより分からなくなる。


「ガレスさんとリリナさんにはこのダンジョンの奥、ダンジョンマスターの討伐をお願いしたいのです」

「コアの破壊ではダメなのかしら?」

「勿論それでも構いません。そして...」

「貴方の同伴は必ず、なのよね?」

「ええ」

「ケッ。おいリリナ、こんな胡散臭い奴の依頼受けねぇ方がいいんじゃねえか?」


ガレス、と呼ばれた男はローブを睨みつけながら提案した。


「あら?誰のせいでこの依頼を受けることになったか思い返したらどう?」

「た、確かにあの時酔った勢いで暴れちまったのは俺のせいだがよ...」

「だったら、この依頼でお金稼いですぐに弁償すべきでしょ?幸い、この子の依頼は羽振りがいいし」

「...チッ」


リリナ、と呼ばれる女性に窘められガレスは大人しくなった。


「では、お話もまとまったようですしダンジョンに入ります」

「ええ、いいわよ」

「...」


◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾


3人がダンジョンに入ると真っ先に向かい入れたのは右も左も分からない闇そのものだった。


「これじゃあ、何も見えないわね」

「ご心配なく、お二人の分の光も用意しましたので」


そう言ってローブは3つのランタンを取り出し明かりをつけリリナとガレスに一つずつ手渡した。


「ずいぶん準備がいいのね」

「ええ、まあ」

「....」

「では、進みます。自分の後をついて来てください」


そう言ってローブは迷うことなく通路を進んでいった。


しばらく進むとリリナはダンジョンに違和感を覚えた。


「...ここ、本当にダンジョン?全く魔物に遭遇しないけど...」

「間違いなくダンジョンです。魔物が少ないのはできたばかりだからでしょう」

「ふーん」

「では、ここからは少し急ぎますので見失わないようにしてください」

「え、あっちょっと!」


ローブが急に速度を上げたためリリナは驚きながらも、ガレスと共にその速度に合わせた。


「...おい、リリナ」

「ええ、わかってるわ。どうしてあの子は出来たばかりのダンジョンの構造を知ってるのか、よね?」

「なんだ、気づいてたのか?」

「当然でしょ?あの子、進む時に迷いがないもの。まるで知ってるかのようだわ」

「なら、気ぃ抜くなよ」

「アンタこそ」


暫く走って移動した3人の目の前には大きな扉が現れた。


「...これは?」

「これがこの階層の中心部です。ここを突破すれば最下層は目前でしょう」

「...ふーん」

「では、参りましょう」


そう言って、ローブは扉を開けた。

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