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ダンジョンマスターは魔王ではありません!?  作者: 静電気妖怪
1章〜異世界の地に立つ者達〜
30/108

28話「侵入者3」

扉が開いた瞬間、真っ先に動いたのはファントムだった。


ファントムは扉が開かれた瞬間20を超える影の槍を撃ち放った。


轟音が広場を覆い、砂埃が視界を妨げた。


「ちょっ、手出すの早すぎんのだろファントム!」

「....」


レイジの驚きにファントムは返事をすることもなくジッと身構えていた。

まるで、戦闘は始まったばかりで終わっていない、と言うかのように。


「...これで倒れてくれればいいんだが...ん?」


ファントムの姿勢を見ていたレイジはふと何かを感じた。


まるで、甘い、甘いお菓子の様に

まるで、乾く喉を潤す果実の様に

まるで、空腹を刺激する肉の様に


レイジは甘く、その中で食欲を満たしてくれる、そんな物の臭いを感じた。


「...何の匂いだ?」

「ッ!貴方様いけません!」


匂いにつられ集中力を欠いていたレイジに一本のナイフが飛来した。


ナイフに真っ先に反応したパンドラが叩き落とし、レイジは事無きに終えた。


「す、すまんパンドラ」

「いえ。ですが、よそ見はいけませんよ」


パンドラは口に人差し指を添え、レイジを注意した。


そして、改めてナイフが飛来してきた方向を見ると3人の人影があった。

そして、そこは扉からかなり距離が開いた壁際であった。


「な、何が起きたんだ!?」

「分からないわ!」


3人のうち、身長が高い男と女が状況についていけず困惑していた。

そして...


「ッチ...弾かれたか...」


ナイフを投げた張本人であるローブ姿の人物は舌打ちをし、憎々しげな視線をレイジに送っていた。


「一体どういうことだ?攻撃は当たったよな?」

「(コクリ)」

「分かりません。私にも確かに当たったようみに見えたのですが...」

「...ち..が..う..」


困惑するレイジ達の中、唯一別の回答をレイス口に出した。


「何だ?レイス何か分かったのか?」

「槍...が当た...る...とき...消え...た」

「消えた?」

「そし...て...次...見た...ら...いた...」

「そ、そう言えば貴方様、先ほど不自然な魔力の流れも感知致しました!」

「魔力?」


レイジはレイスとパンドラの証言を聞き、一つの結論に至った。


「...まさか...瞬間移動...?」


レイジがそう呟いた時、ローブの下でわずかに口元がつり上がったことには誰も気づかなかった。


◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾


「おいローブ!今のはどう言うことだ!」

「どう言うも何も、助けてあげたのです。文句よりも感謝を言って欲しいくらいです」

「ガレスッ!今はそれどころじゃないわよ!」

「チッ!分かってらぁ!」

「敵の情報を伝えます。まず、ダンジョンマスターは色白の男です」

「じゃあ、そいつをブッ殺せば終わりか」


そう言って、ガレスは腰にある剣を一本抜いた。


「更に、魔物の方ですがローブの魔物は速度特化です」

「なるほど、それで俺の出番というわけか」

「はい。期待していますよ『閃光』のガレスさん」

「ケッ」

「次に、黒い人型の魔物は影魔法を使います」

「じゃあ、私はそっちを相手すればいいのね」

「お願いします『蒼炎』のリリナさん」

「残りは?」

「....」


リリナの質問に先程まで饒舌に語っていたローブの口が閉ざされた。


そして、一呼吸置いてからローブは話し始めた。


「申し訳ありませんが、最後の女型の魔物については...わかりません」

「わからない?」

「はい。本当は緑の魔物が居るはずなのですが...」

「別に構いやしねぇよ。リリナ、手ぇ空いてたらそっちも頼む」

「はいはい」


ガレスの頼みにリリナは慣れた様に返した。


そして...


「ハッ!」

「ッ!」


ガレスとレイスの神速の一撃がぶつかり、戦いの幕が上がった。

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