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憑依転生した先はクソ生意気な安倍晴明の子孫  作者: 桜桃
第三章 水仙家

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後悔と前進

「ひゃ、百目!!!」


 しまった。俺を守るために刀を放ったせいで、百目は武器を失い、触手を躱せなくなったんだ。


 ――あ、百目の札が燃える。


 百目が、消える。


『間に合った、みたいです。よかった』


 ま、間に合った? 何が……。


 百目は小さく呟き、優しく笑うと、そのまま燃えるように消えた。

 手に握られていた札も、一緒に燃えて消える。


 最後の言葉。何が、間に合ったんだ。


 再び触手が生まれ、俺を狙ってくる。

 操っているであろう弥来さんは、無表情のまま、何も映さない瞳でこちらを見ていた。


 ……駄目だ、動揺するな。


 何のために百目は俺を守ったんだ。


「闇命君! さっきの続き!」

『いや、その必要はないみたい』


 え、何を言って―――


「『水妖 悪なるものをすべて包みこめ、急急如律令』」


 襖の向こうから声。


 水妖って──まさか!!


 振り向くと、水分さんと紅音が立っていた。


 ……間に合ったって、そういうことか。


「水分さん!! 紅音!!」


 まだ万全じゃないのか、紅音が水分さんを支えている。


 ――――――――バシャン!!!!


 水が弾ける音。


 触手が――止まった?


「動きが止まった……触手に水が付いてる、あれって……」

『ただの水じゃないね。おそらく、体を痺れさせるものだ』

「痺れさせる……倒すんじゃなくて、封じたのか?」

『おそらくね』


 水分さんが紅音の支えから離れ、弥来さんへ歩いていく。


 危ない。この距離は――


『ぐっ、が、っ……くまりさま。ころ、し……』

「あぁ、安心しろ。お前は十分頑張った。今までご苦労だった」


 ――待て。


 その言い方は、まるで。


 ここで終わらせるみたいな。


 まさか、殺す気か……?


「…………」


 水分さんが懐から小刀を取り出す。


 振り上げる。


 そのまま――


「ま、待って!!!!!!!」


 手を伸ばす。


 ――届かない。


 ※


 何が起きたのか、まだ整理できていない。


 なぜ弥来さんがあんな姿になったのか。なぜ、俺たちを襲ったのか。


 今は大広場で、みんな円になって座っている。負傷者の手当ても終わっていた。


 俺は守られていたおかげで、大きな怪我はない。


「弥来さんは大丈夫なんですか?」

「今は拘束して地下牢に入れている。何かあっても対処できるだろう。それより琴平、咄嗟とはいえ腕を刺してしまってすまない」

「いえ。判断が早すぎると思っただけだ」

「そうか」


 あの時、琴平は俺の声に反応して、小刀を止めようとしてくれた。

 だが止めきれず、刃が腕に刺さってしまった。


「琴平、結界ありがとう。助かった」

「闇命様を守るのが役割。当然のことをしたまでだ。……とはいえ、今回は何もできなかった。それが反省点だ」


 ……何もできなかった?

 それは、俺のほうだろ。


 動いたつもりでも、結果はこれだ。式神を三体も負かせてしまった。


 結局俺は――何もできていない。


『……今回の件、原因はわかっているの?』

「騒動の理由までは不明だが、やった奴は見当がつく。前に話した、氷鬼家から消えた陰陽師だろう」

『こんな力、聞いたことないけど。隠されてたの?』

「俺も知らなかった。ここまでとはな……」


 水分さんも苦い顔をしている。


 情報が足りない。

 今回のことも含めて調べないと、何も見えてこない。


 なぜこんなことをしたのか。何が関わっているのか。


 それが分からない限り、こっちは後手のままだ。


 ……落ち込んでる場合じゃない。


 動かないと。


 また被害が出る前に。

ここまで読んで下さりありがとうございます!

出来れば次回も読んでいただけると嬉しいです!


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よろしくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ

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