表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
憑依転生した先はクソ生意気な安倍晴明の子孫  作者: 桜桃
第二章 死絡村

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

68/145

心からの安らぎⅢ

『紅音!!!!』

『え、うわっ!!!』

『紅音ちゃん!!』


 気付いた時には遅く、長い舌が紅音の足に巻き付き、そのまま引きずられていった。


 手を伸ばすが、届かない。

 舌はさらに締まり、紅音の体を拘束していく。


 離させようとするが、俺は化け物からすれば赤子同然の大きさ。無理なのは分かっていた。


 それでも放っておくことは出来ず、化け物の足にしがみつく。


『はなせ!! 紅音をはなせ!! この化け物!!!』


 意味が無いのは分かっている。

 それでも、叫ぶしかなかった。


 その時、後ろから甲高い叫び声が聞こえ、振り向く。


 そこには木の棒を構え、氷の一技之長を纏わせた母が立っていた。


『か、母さん?』

『私の娘を離しなさい!!』


 叫びながら、母は化け物へと振りかぶる。

 だが、戦いに慣れていない攻撃が通じる相手ではない。


 鬱陶しかったのだろう。

 化け物は気味の悪い目を母へ向けた。


 母は一瞬息を飲む。

 それでも逃げずに叫び続ける。


『離しなさい!!』


 俺も負けじと、母と同じ氷の一技之長を使おうと、周囲に使えそうな物を探した。


 その時──何かが砕ける音が響いた。


『──えっ』


 さっきまで後ろにいたはずの母が、いない。

 地面には血が広がっている。


 恐る恐る音の方を見る。


 そこには、体が歪に曲がり、息絶えた母の姿があった。


 何を感じていたのか分からない。


 怒り、悲しみ、恐怖。

 それとも、もっと別の何かか。


 ただ、体は動かず、震えるだけだった。


 目を閉じたままの母を、見ていることしか出来ない。


 次に化け物が狙ったのは、俺だった。


 視線を感じ、見上げる。

 化け物と目が合う。


 紅音は、今も必死にもがいている。


『あ、あぁ……』


 動けない。

 それでも、見捨てることも出来ない。


 その時、地面に落ちている木の棒が目に入った。


 動かない足を無理やり動かし、駆け寄る。

 それを握り、構える。


 氷を纏わせる。

 震えながら、それでも構えた。


 もしかしたら、一瞬で終わるかもしれない。

 それでも、紅音が助かるなら、それでいいと思った。


 化け物が動く。

 ぬめりを帯びた足を振り上げ、俺を蹴り潰そうとする。


 迫る。


 避けられない。

 受け止められない。


 ただ、見ていることしか出来ない。


 その瞬間、なぜか俺は紅音を見た。


 紅音は涙を流し、顔を歪めていた。


 ──死ぬわけにはいかない。


 そう思った時には、もう遅い。


『ごめっ──』


 諦めかけた、その時。


『もう、これ以上はやめなさい、大蝦蟇(おおがま)


 凛とした男の声が響いた。

 同時に、何かが焼ける匂いが漂う。


 足元からパチパチと音が鳴り、化け物の体に炎が広がった。


『あ、紅音!!』


 巻き込まれる──そう思った瞬間。


 頭に手が置かれる。


『大丈夫だよ。安心して』


 優しい声だった。


 同時に、黒髪の青年──百目が現れ、刀で舌を断ち切る。


 紅音が解放された。


『紅音、大丈夫か?!』

『こ、とひ……』


 百目は何も言わず、紅音を俺に渡す。

 震える体を抱きしめながら、俺は後ろにいる男を見上げた。


『貴方は?』

『名前を聞いているのかな。それなら──私の名は、安倍煌命(あべのこうめい)。安倍家の陰陽頭だ』

ここまで読んで下さりありがとうございます!

出来れば次回も読んでいただけると嬉しいです!


出来れば☆やブクマなどを頂けるとモチベにつながります。もし、少しでも面白いと思ってくださったらぜひ、御気軽にポチッとして頂けると嬉しいです!


よろしくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ