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憑依転生した先はクソ生意気な安倍晴明の子孫  作者: 文月朔夜
第二章 死絡村

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鈴

 二人は看守、村長相手に一歩も引かずにやり合っている。これなら、確かに俺なんていなくても問題なさそうだ。


『言ったでしょ。だから、早く行くよ』

「う、うん……」


 二人を、信じよう。


 今は雨燕さんと合流して、井戸であった出来事と、この村の規定について話す。


 牢屋があるのは地下室。ジメッとした空気で気持ち悪い。

 早くここから出たいけど、出入口は……。


 あっ、村長が来た道を進めば、階段か何かはあるか。


「って、いつの間に鼠姿に。しかも肩の上に移動しているんだね、闇命君」

『走るのは君の仕事でしょ』

「どういう事だよ!!」


 走り続けていると、上へと続く階段を見つけた。やっぱり、ここから村長は来たんだ。


 駆け上がると、赤色が階段を照らしている。

 もう夕暮れか。暗い所にいたから、夕暮れの光でも目が痛い。


「ここ、どこだ。俺達が地下へと連れられた時は、目元を隠されていたから分からない……」

『おそらく、村を囲っている森だろうね。それにしても、なんか気持ち悪い空気が漂っていて吐きそう』

「うん、なんか重たい。ここだけ重力が違うのか?」

『そんなわけ──』


 ん? 闇命君が一つの場所を見て固まってしまった。どうしたんだろうか。

 あれって……靖弥? 木の上に靖弥の姿があった。


「せっ──」

『声を出すな、バカ』

「ばっ……」


 思わず駆け出そうとしたら、またしても闇命君に止められてしまった。


 俺が少し動いてしまったことで人の気配を感じたのか、靖弥が見ていた村から目を離した。周りを見ている。


 体を小さくし、草木に隠れて見つからないようにしろという命令が……。


 本当は話したいけど、たしかに今はゆっくり話せるわけないし、見つからないようにした方がいいか……。


 俺達を見つけられず、靖弥は諦め、また村の観察を始めた。


 そこで村を見て、何をしているんだ?


「一体なにを──がっ!!」


 いきなり項あたりに強い衝撃。何が起きて……っ!


「っ、あ、しや、ど――――…………」

 

 ――――――――バタン


 ※


「道満様。なにかっ──」

「セイヤよ。気配に気づかないとは、どういう事なんだい? もうヘマをしないと約束したはずなのだが」

「っ! …………申し訳ありません。一瞬気配を感じたのですが、見つけられませんでした」


 一瞬、セイヤは倒れている僕の体を見て驚いていた。

 直ぐに冷静になったのは凄いけど、参った。


 セイヤは木から飛び降りて、道満の隣に移動する。

 くっそ、セイヤに気を取られすぎた……。


「これはこれは、安倍晴明の子孫だね。私は蘆屋道満だ。よろしく頼むよ」


 気持ち悪い笑みを浮かべながら、鼠姿の僕に手を伸ばしてくる。


 不快だ。どす黒い何かを感じる。

 こいつには、近づいてはいけない。


「まぁ、今の君には興味ないねぇ。私が興味あるのは──」


 目線が、倒れている僕の体に移る。

 まずいな、今の僕じゃ何もできない。体に戻ったところで気絶しているから意味なんてない。


 どうする。どうやってこの場を切り抜けようか。

 せめて、百目とか出しておくんだった。


 少しずつ近づいてくる道満と距離を取りたくても、僕の体を運べないとどうすることも……。


 ────ん? なんだ。セイヤって奴が口パクで何か言ってる?


 ”う・え”


 上? 上に何が──あれは……。

 ちっ、一か八か。あいつに賭けるしかない!!!


 道満の両足の下を潜り、一本の木に向かう。

 セイヤが僕を捕まえようと手を伸ばしてくるけど、それを横に避けて木に登る。


「ほぉ。自分の体を捨てたか」

『そんなわけないだろ』


 木の上に駆け上がり、枝の上に到着。

 多分これは侵入者を防ぐためだろうな。

 鈴が葉に隠れて備え付けられている。


 これは、しっかり見ないと気付かない。


 鼠の姿だから上手くできないけど、鼻で鈴を鳴らしまくる!!!


 チリンチリンチリン!!


 おりゃぁぁああ!!!

 って、あいつの変な掛け声が移っちゃったよ!!!


「鈴?」


 道満が僕を見上げてくる。

 見たところで僕に届かないだろう。それか木を登ってくるか? できないだろ。


 鈴を鳴らしまくっていると、セイヤが木を蹴り、駆け上がってきた。重力お構いなしだな。


 って、まずい!! このまま捕まってしまえば何もできなくなる。


 飛び降りようと枝から跳んだけど間に合わず、捕まっちまった。でも、タダでは捕まらないよ!


『ガブッ!!』

「っ!!」


 思いっきり噛んでやると、セイヤが痛みで体を傾かせる。


 その時、鈴の音が鳴り響き、森周辺にうるさいほどの音が響き渡った。

ここまで読んで下さりありがとうございます!

出来れば次回も読んでいただけると嬉しいです!


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よろしくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ

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