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憑依転生した先はクソ生意気な安倍晴明の子孫  作者: 桜桃
第二章 死絡村

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気づかれずに

 聞きこみ調査に一区切りをつけ、今は宿屋の一部屋で休憩中。


 畳部屋だから、畳の匂いが部屋に広がっている。

 広さで言うと二十畳。四人が泊まるには充分な大きさだ。


 紅音は女性だから他の部屋にと思ったのだが、本人が「部屋に一人か」と、ものすごく落ち込んでしまった。

 そのため、琴平も苦笑いを浮かべつつ、一緒の部屋に泊まることになってしまった。


 まぁ、何もないと思うけど。


「今日は成果という成果はありませんでしたね。明日も聞き込みを致しますか?」

「今日と同じことを繰り返すだけだろう。意味は無い」

「だったらどうするわけ? 何か案あるの?」


 闇命君や、上司なんだからそんな口調はやめようよ。俺が緊張するからさ。

 言っている俺が緊張するからさ。耳元で囁かないで、俺の自由に話させて。


「そういうぬしは、何かあるのか。口で文句を言うだけではなく、考えてみろ」

「村の人に気づかれないよう、怪しい所を直接見たいかな。その方が手っ取り早いしね」


 一言一句間違えないように気をつけながら言っていると、琴平が口を開いた。


「ですが、村の人に気づかれないようにするのは難しいかと。小さな村なだけあって、四方に目があります」

「問題ない。こっちの方が一枚も二枚も、百枚も上手なんだから」


 …………俺の台詞じゃありませんからね?!? 断じて!!! 俺ではない!


 だからお願いします。青筋を立てないでください雨燕さん!!! むかつきますよね、分かります!!! 俺もムカついております!!


「そこまで言うのなら、ぬしの作戦に乗ろう。もし失敗すればどうなるか……分かるな?」


 怒ってる。確実に怒ってます。

 額に青筋を浮かばせ、鋭く冷たい眼光で見下ろしてくる。


 頷くしか、今の俺に残された選択肢はなかった……。

 

 ずっと黙っていた紅音が、この時だけは怒りを露わにし、握り拳を小刻みに震えさせている。


 よく我慢したね、偉いぞ紅音。


 ※


 今は夜中の二時くらいだろう。

 布団で眠っていると、なぜか琴平と闇命君に起こされた。


 琴平は優しく揺すって起こしてくれようとしたが、闇命君が容赦なく耳を一噛み。一気に意識が覚醒したよ、この野郎。叫んだらどうしてくれるつもりだったんだ。


「痛い……」

『間抜けに寝こけているのが一番悪い』

「いや、こんな時間、普通寝てる時間だからね」

『話聞いてた? 村の人に気づかれないように井戸を調べる必要があるの。分かる? 普通、人が出歩かない時間を狙うって考えない? 馬鹿だからそこまで思考が回らなかったわけ?』

「あぁ、ナルホドネー。ワカッタヨ」


 とりあえず、周りの人に気づかれないように井戸へ向かわないといけないのね。


 今は俺と闇命君、琴平が一緒だけど、雨燕さんはどうするんだろう。


「雨燕さんは──」

『あいつは外に出てるはずだよ。まとまった行動は目立つからね』


 なるほどね、確かにそうか。

 とりあえず、聞き込みをしている際に村の中は把握できたし、できるだけ近道をして、村の人の目をかいくぐって井戸に向かおう。


「あ、そういえば紅音は……起こすのも可哀想だし、大丈夫か」


 ごめん、紅音。大人数だと目立つという理由で、今回は寝ていてくれ。


 布団の上で気持ちよさそうに寝ている紅音を起こすなんて、俺には出来ない。


 ※


「…………どうすればいいの、これ」

「さすがに予想外だな」

『ババァはババァらしく、早寝早起き朝ご飯をしっかりしろよ』

「口は悪いけど、言っていることは正しい闇命君」


 長屋を使い、隠れながら移動していたのだが、目的である井戸の周りに二人の人影があって近づけない。


 あれが本当の井戸端会議。なぜこんな時間に……。


「というか、ババァじゃなくてジジィじゃないの、あれ」

「優夏よ。口が悪くなっているが大丈夫か?」

「あ、やべ。つられた」


 まぁ、良いか。関係ないし。


 あの二人がどこかに行ってくれないと、調べたくても調べられない。

 それに、こんな所で待っていると、他の人に見つかる可能性が……。


 うぅ、早くどっかに行ってくれ……。


「って、あれ? 井戸の中に入った?」

『入ったね。やっぱり、中はただの水じゃないみたい』

「そのようですね。行きますか?」


 琴平が闇命君に聞くと、頷いた。


『周りに気をつけながらね』


 闇命君の言葉通り周りを見て、人がいないか確認する。

 月明かりのおかげで、少しだけ辺りが見やすいな。


 今は俺達しか外にいないみたいだし、今のうちに井戸の中に入って、何が隠されているのか見つけよう。


 足音に気をつけながら井戸に近づくと、木の板で蓋がされていた。

 それを開け、中を覗き込むと、そこには縄ばしごが引っかかり揺れている。


「これを使って下に行ったのか」

『僕達も行くよ』

「あ、はい」


 闇命君が琴平を見ると、すぐに動き出した。

 琴平が先行し、その後に俺が降りる。


「なんで琴平が最初?」

「もしもの時、闇命様の体を受け止められるからな」


 なるほどね。俺が足を踏み外したりしても、琴平がそれをキャッチしてくれると。それは安心だ。


 それでも落ちないように気をつけながら、井戸の下まで降りた。

ここまで読んで下さりありがとうございます!

出来れば次回も読んでいただけると嬉しいです!


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よろしくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ

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