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憑依転生した先はクソ生意気な安倍晴明の子孫  作者: 桜桃
第二章 死絡村

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地下室

 本棚が動き出したかと思えば、すぐに止まった。

 光も消え、辺りは再び暗くなる。


 暗くても分かる。

 なに、この扉。どこに繋がってるんだ?


『これが地下へ続く扉だよ。この奥に機密資料が保管されている。陰陽頭や陰陽助くらいしか知らない場所だから、むやみに琴平達に話さないでね』

「なんでそんなの闇命君が知ってるの? こっそり教えてもらったとか?」

『うん。父様が教えてくれた』

「なんで?」

『さぁ? 今はいいでしょ。役に立ってるんだから』


 ……まぁ、そうだけどさ。気になるだろ普通。

 短命という自分の呪いを受け入れ、息子に託す意味で教えたのかな。


『早く入るよ。時間ないんだから』

「は、はい」


 緊張する。

 でも、入らないと何も始まらない。


 意を決して扉を開けた。

 ――ギィィィィィと、軋むような音が鳴って肩が震える。


「っ、階段だ……」


 扉の奥には、下へと続く長い階段。


 暗くて足元が見えづらい。

 ちょっとでも気を抜いたら踏み外しそうだ。


「これ、普通に危なくない?」

『雷火』


 呼ばれた瞬間、雷火が前に出て階段を照らした。

 あ、ありがとうございます。


 ※


 コツ……コツ……と足音が響く。

 光に照らされ、影が壁に大きく揺れる。


 地下だからか、空気が冷たい。


「寒いな」

『地下だからね』


 下まで降りると、奥へ続く廊下に出た。


 壁も床もコンクリート。

 左右にはいくつもの扉が並んでいる。


 ほとんど使われていないのか、ドアノブには埃。

 正直、触りたくない。


 淡い光は、壁に備え付けられている提灯だ。

 提灯だからか、光があるとはいえ、薄暗いのは変わらない。


 ……これは、雷火の方がマシだな。


『目的のものは、一番奥の部屋にあるはずだよ。他の陰陽寮の資料』

「了解」


 雷火を連れて廊下を進む。


 カツン、カツン、と足音が響く。

 ……なんか怖い。完全にホラーのやつ。


 百足や蜘蛛が床を這い、壁に触れれば埃がつく。

 奥へ進むほど、さらに冷え込んできた。


 息も、徐々に白くなる。


 キモいし寒いし怖いし……。

 長居する場所じゃないな。さっさと終わらせよう。


『あそこ』

「あ、あった」


 突き当たりに、埃のない扉が一つ。

 人が出入りしているのがこれだけで分かる。


 ドアノブに手をかけ、ゆっくり開ける。

 中には本棚がいくつも並び、中央には机と椅子。


 天井には提灯が一つ、淡い光を放っている。

 その周りには、蛾や小さな虫が集まっていた。


「……埃臭い」

『ここまで手が回らないんでしょ。どれだけ巫女に負担かける気なんだか』


 へぇ、そこは気にするんだ、闇命君。

 優しいところもあるんだね。


『僕には関係ないけど』


 ………………最後の一言で台無しなんだよなぁ。


「はぁ……」

『ため息ついてないで早く調べたら? 僕の身体だからと言って適当に扱ってない? 大事にしないと許さないから』

「なんでそうなるんだよ!! でも、これはマジで急がないと無理。寒すぎる」


 本気で寒い。指先が動きにくくなってきた。


 さっさと見つけて戻ろう。

 ここにいるのがバレても面倒だし。


「えっと……」


 本棚はざっと見ても十以上。

 どれも隙間なく本が詰まっている。


 ……めんどくさ。


「どれだぁ……」


 適当に抜いてみるが違う。


 手が冷えて震える。

 この世界、カイロとかないのか……。いや無いか。


 白い息を吐きながら探していると──

 ふと、気になる一冊が目に入った。


 手を伸ばして引き抜く。


「おっ。ラッキー……。これ、宝くじあったら一等当たるやつじゃない?」

『意味分からないこと言ってないで、早く』

「あ、はい」


 どうやら、直感で引き抜いた本が当たりらしい。

 漆家について書かれている本だ。


 ……よし。


 多分これ、あれだな。

 安倍晴明が教えてくれたやつ。きっと。ありがとう。

ここまで読んで下さりありがとうございます!

出来れば次回も読んでいただけると嬉しいです!


出来れば☆やブクマなどを頂けるとモチベにつながります。もし、少しでも面白いと思ってくださったらぜひ、御気軽にポチッとして頂けると嬉しいです!


よろしくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ

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