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憑依転生した先はクソ生意気な安倍晴明の子孫  作者: 文月朔夜
第二章 死絡村

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約束

「──と、こんな感じです」


 ひとまず、俺がわかっていることだけ話した。


 転生前、靖弥とは友人だったこと。

 村で再会した靖弥が別人のようだったこと。

 意識を飛ばす前、聞き覚えのない声が聞こえたこと。


 話し終えると、闇命君を含め三人は顎に手を当て、黙り込んだ。

 今は敵同士だ。友人だったと言われても、反応に困るだろう。


「なるほど。それは少し、めんどくさいねぇ」


 はっきり言われた……。でも、俺もそう思う。

 敵だけど、友人だ。助けたい。


『本当にめんどくさいね。普通に殺っちゃえばいいじゃん。友人だろうと関係ないでしょ。今は君を裏切ってるんだからさ』


 冷たい言葉が、胸に突き刺さる。

 痛い……物理で刺されたときより、よっぽど痛い。


「裏切っている、とは少し違うと思うよ、闇命君」

『違う? なんで。結局、殺しに来たじゃん。記憶がないにしろ、名前を呼ばれた時点で、知り合いかもって考えはよぎるはずだ。それでも躊躇なく殺しに来た。裏切っている他に何かあるわけ?』

「――まぁ、今考えても仕方がない。確かめる手段がないから」


 その通りだ。

 ここで考えても、答え合わせはできない。


「紫苑様、これからどういたしますか」

「そうだね。今は情報が欲しい。しかし──」


 言葉が途中で途切れる。

 理由は、言われなくても分かる。


 ここでは自由に動けない。

 外に出るにも制限があるし、紫苑さんと常に一緒にもいられない。


 依頼で外に出ても、監視付きだ。

 調査なんて無理だろう。


 本当に厄介な寮だ。逃げ道がない。

 早く改変したい。


 そんなことを考えていると、闇命君が琴平を見上げた。


『琴平は外の世界、どのくらい知ってるの?』

「依頼で各地には行きましたが、詳しいわけではありません。終わればすぐ連れ戻されますので」

『ふーん。じゃあ紅音や夏楓は?』

「俺よりは知ってるかと。買い出しによく出ていますし」

『ふーーーーん』


 ……何を考えてる?

 聞いといてそれかよ。


 ん? なんでこっち見るんだ。

 俺、何も思いつかないぞ?


 首を傾げていると、紫苑さんが怪訝そうな顔を浮かべた。


「────闇命君、それは無謀じゃないかい」

『無謀を何とかするのがあんたでしょ。立場、使ってよ』

「無茶を言うね」


 ……通じ合ってるのか、この二人。

 説明なしで進むな、置いていくな。


「……闇命様、まさかかと思いますが、この陰陽寮を出るおつもりですか?」

『それが一番早いでしょ。邪魔が多すぎる。排除するより出た方が楽だ』


 ――――え、まじか。

 ここ、捨てるのか?


 でも、それだと残された人は変わらないままじゃ……。

 そもそも、当てはあるのか?


『ないよ。だから今すぐじゃない。準備ができるまではここにいる』

「ナチュラルに心を読まれたけど……まぁ、そうだよね」


 なら……まぁ安心か。

 でも準備って、誰がやるんだ?


 ……さっきの流れ的に、紫苑さんだよな。


 口元は笑ってるのに、顔はめちゃくちゃ面倒そうだ。

 というか青い。大丈夫かこの人。


「……はぁ。仕方がないね。協力すると言った以上、やるしかないか」


 え、マジで?

 断ると思ってた。


「その代わり、複数の依頼をこなしてもらうよ」

「ですよねぇ~」


 優しいだけで上司は務まらない。

 琴平も闇命君も、揃ってゲンナリしている。


「その依頼、具体的には?」

「これを見た方が早いかな」


 紫苑さんは部屋を見回し、何かを探し始めた。

「これじゃない」「あれ、こんな所に」「違うか」


 ……不安しかない。


「あ、あった。この封筒の資料、まずまとめてほしい」


 三つ。しかもパンパン。

 少しでも触れると爆発しそう。


「これ、爆発しません?」

「したら拾ってね」

「キヲツケマス」


 怖すぎるだろ。

 こんな汚い部屋で、爆発した資料を探すとか、冗談じゃない。


「中に依頼内容が入ってる。後回しにしてたのもあるから、全部片付けて」


 ……全部?

 これ、全部やるのか?


 琴平と闇命君を見る。

 あ、同じ顔してる。終わったわ。


 中を確認して、闇命君は震えている。怒りで。


 試しに一枚、爆発しないように取り出す。

 びっしり文字。逃げ場なし。


 内容は──

「猫探し」「子供が泣き止まない」「家の修理」「夜に物音」


 いや待て。

 陰陽師どこ行った。


 猫は自分で探せ。子供はあやせ。家は業者呼べ。

 物音はたぶん湿気だ。


「これ、本当に全部?」

「やらなくてもいいよ。その代わり、私は協力しない」


 はい出た。

 この人、こういうタイプ。


「どうするんだい、優夏君」

「そこで振るのやめてくださいよ……」


 ……はぁ。

 やるしかないだろうがあああああああああ!!

ここまで読んで下さりありがとうございます!

出来れば次回も読んでいただけると嬉しいです!


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よろしくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ

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