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憑依転生した先はクソ生意気な安倍晴明の子孫  作者: 文月朔夜
第一章 安倍家

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被害

 今日は、とりあえず四季さんに陰陽寮へ来てもらうことにした。


 上に何を言っても意味がないのは分かっている。

 だからせめて、火事が起きるかもしれない村へ今日は戻らないように。


「あの、本当によろしいのですか?」

「よろしくはないと思うけど、このままあんたを帰すのも後味悪そうだし。とりあえず付いてきて」


 闇命君に言われた口調を真似しながら、陰陽寮がある方向へ歩く。

 さっきまでと話し方が違うせいか、四季さんは少し戸惑っている。


 ……許して。闇命君に逆らえないんだ。


 そんなことを考えていると、遠くから男女の声が聞こえてきた。


 闇命君の名前を呼んでいる。

 この声、多分琴平と紅音だ。


 あぁ、怒られる。


 絶対怒られる。


 なんだろう。拳骨かな。


 ため息を吐いた、その時だった。

 四季さんが急に立ち止まる。


 振り返ると、不安げに後ろを見ていた。


「あの、やはり私、帰ります」

「え、でも。今日にでも火事が起きるかもしれないんだよ? 帰らない方が──」

「なら、なおのこと帰らなければなりません。家には、お母さんとお父さんがいるんです」


 ……そうか。


 四季さんだけ守ればいいわけじゃない。


 家族も守らないといけない。


 でも、どうやって。


 闇命君は今日死ぬと言った。

 そんな冗談は、さすがに言うわけがない。


「すみません。話を聞いてくださったのに失礼なことを言ってしまって。でも今日はこれで失礼します。また日を改めて依頼させていただきます」


 四季さんはそう言って、来た道と反対へ歩き出す。


 止めたい。

 でも言葉が出ない。


 引き止めるだけじゃ駄目だ。


 納得させる理由がなければ──


『あんた。そのまま帰ったら家族ごと死ぬよ』


 低く、不機嫌そうな声が森に響いた。

 隣を見ると、半透明の闇命君が腕を組んで立っていた。


 いつの間にか肩から降りていたらしい。


「え、同じ人が……二人?」

『そんなのどうでもいいよ。こいつが偽物、僕が本物。ただそれだけ』

「偽物ではないと思うんだけど……」


 否定しても、闇命君には届かないだろう。


『とりあえず、このまま何も考えず帰れば、焼死体が三つできる。それでもいいなら止めないけど』

「ふ、不吉なことを子供が言わないでください」


 四季さんの声が荒くなる。

 さっきまでの柔らかさが消え、今は刃みたいに鋭い。


『不吉かもしれないけど事実だよ。君たちの家は今日火事になる。そして逃げられず死ぬ』


 本来なら止めるべき言葉だ。

 でも、ふざけていない。

 馬鹿にしてもいない。


 口調と表情を見れば分かる。

 それは四季さんにも伝わったらしく、強く拳を握ったまま動かない。


 信じるか。

 信じないか。


 重苦しい沈黙が落ちる。


 その時、背後で草木が揺れた。

 振り向くと、琴平と紅音が立っていた。


 二人とも息が荒い。

 かなり探してくれていたらしい。


 申し訳ない。


「闇命さっ──」


 紅音が名前を呼びかける。


 待って、それは今まずい。


 慌てて口元に指を当てると、琴平がすぐ察し、紅音の口を塞いで止めてくれた。


 助かった。


「……これはどういう状況だ、優夏」

「あの人はね──」


 二人に近づき、小声でここまでの流れを簡単に説明する。

 すると琴平も紅音も、ひとまず黙って見守ることにした。


「その話が本当なら、私はどうすればいいんですか。どうすれば守れますか。大事な家族なんです。絶対に守りたい」

『さぁね。まずはその村に住み着いてるモノを確認しないと何も言えない。だから、まずはあんたの村へ行く。後ろの三人も一緒に』


 闇命君と目が合う。

 そりゃそうだ。


 言い出したの俺だし。

 行かない選択肢なんてない。


 しっかり頷き、琴平たちと一緒に四季さんの隣へ並んだ。


「必ず村を守るから、安心してほしい」

『それは言い切るな』

「え、なんで?」


 こういうのって言い切った方がかっこいいだろ。

 守るならなおさら。


『相手が何かも分からないのに言い切るなよ。妖には種類がある。まぁ僕は天才だから何でも問題ないけど』


 そこまではいつも通りだった。

 でも、次の言葉で空気が止まる。


『でも、今の天才陰陽師はあんただよ。分かってる? あんたが倒すんだよ』


 …………。


 え?


 俺?


 いやいやいや。


 だって琴平も紅音もいるじゃん。


 なんで俺確定なの。


『琴平は援護中心にやらせてた。それに紅音には戦(・)闘(・)経(・)験(・)がない。前線に立てるのはあんたしかいない』


 ……………………。


 そんなの。


 知らねぇよぉぉぉぉぉぉおおおおお!!

ここまで読んで下さりありがとうございます!

出来れば次回も読んでいただけると嬉しいです!


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よろしくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ

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