「唐揚げ検証」
「「「フン!」」」
喧嘩を収めるつもりが三つ巴になってしまった今現在。ただ、俺のおすすめである、唐揚げにマヨネーズをないわーと言われてしまったこと。自分でも驚いたのだが、自分の好みの食べ方を相手から否定されると意外とムカついた。これは喧嘩になっても仕方がないのかもしれない
ただ、事態を悪化させてしまった事に変わりはない。喧嘩の終止符を打つのは俺がやるべきだ
「……なあ提案があるんだが」
「……何よ」
「今から唐揚げを揚げてさ、どの調味料が1番合うか食べ比べしないか?」
「マヨネーズとレモンと塩でって事?」
「違う。合いそうな物全部試してみて……だよ」
3つの比較だけじゃダメだ。もしかしたら違う調味料が、俺たち3人の一番になる可能性だってある。それなら争ってた意味も解消される
「……じゃあ今日の晩ご飯は唐揚げだね」
「食べ比べするんだからいっぱい必要よね。そんなに唐揚げの貯蓄は無かったと思うけど」
「なら俺が買ってくるよ。あ、ご飯ある?」
「うん。大丈夫」
「良かった。唐揚げにご飯は必須だからな」
「その意見には賛同するわ」
「私も……ご飯は大事」
俺は検証用兼晩ご飯用の唐揚げの買い出しに向かった
♢ ♢ ♢
「買ってきたぞ」
「これって……駅前の精肉店の唐揚げ?」
「冷凍食品のじゃなくて、ちょっと本格的なやつで試した方が良いと思ってな」
味付けされていない唐揚げにしてもらったので、元味が良さを消したりしない。平等な条件での戦いだった
味の候補はこちら
塩、胡椒、塩胡椒、マヨネーズ、レモン、カレー粉、醤油、バター、オリーブオイル、鷹の爪、ケチャップ、わさび、チーズ
調味料ではないものも混ざってはいるが、合わせて食べて美味しいものを決める事という観点なので、チーズなどの参戦を許可した
「じゃあまずは塩梅に塩から食べてみるか」
3人共唐揚げを取り、塩を振りかけて一口
「美味しいー!」
頬を押さえて美味しいと唸る由比羽
「まあ安定だよな。美味いわ」
「……美味しいけど、良く食べる味ね」
「それが良いんだよー!」
続いてマヨネーズ
「んー……不味くはないけど」
「私、マヨネーズ自体がそんなに得意じゃないから……」
「美味い!」
と、塩ほどの評価は得られなかった。間違いなく美味しいはずなんだけど……マヨネーズは好き嫌いが分かれるのかな?
続いてレモン
「……酸っぱ」
「……うん!美味しい!」
「んー……レモン単体だとそんなに美味しくないかな……」
レモンと他の調味料が欲しくなる。それこそ塩とかと一緒に食べた方が美味しい気がする
続いてカレー粉
「辛っ」
「美味しいけど……カレー味である必要性はないかな?」
「うん。普通に美味しい」
評価はまばら。これもマヨネーズ同様、好き嫌いが分かれるみたいだ
お次は醤油
「美味しい」
「美味しい」
「美味い」
唐揚げ自体が醤油ベースで作られることが多いことと、万人受けする味だからか、皆の評価は高かった
続いてバター
「……味ない」
「脂っこい……」
「嫌いじゃない」
確かに味が付きにくいものではあったが、評価はあまり得られなかった
続いてオリーブオイル
「……味ない」
「脂っこい……」
「嫌いじゃない」
バターと評価は変わらなかった
続いて鷹の爪
「辛っ!」
「辛いっ!」
「うん。辛くて美味しい」
俺は鷹の爪の量次第ではかなり可能性を感じたが、2人の評価はそれほど高くなかった
お次はケチャップ
「……そろそろお腹いっぱい」
「同じく……」
「まあ安定感はある味」
そろそろ女性陣のお腹が膨れてきたようだ
お次はわさび
「辛っら‼︎」
「あー辛いぃ……」
「うん!思いの外美味い!」
わさび単体ではなく、わさび醤油だとさらに美味しいかもしれない
そしてラストは……チーズだ
「……最強かもしれない」
「……すごく美味しい」
「……美味っ」
まあ合うことは分かってたし、調味料でもないから多少ズルい感じはするが、俺たちの中での1番は決まった
「じゃあ今日から唐揚げの日はチーズと食べるで決定でいいか?」
「「賛成ー!」」
……すっごいしょうもない喧嘩だったな




