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見つけろ砂漠の村のバグ探し6

 ふと気付いたんだけどサシャがいません。

 いや、僕の隣には不敵な笑みを浮かべたサシャがいるけどさ、しかもレベル80とかいう凄い強力な奴隷ちゃんが。

 既に☆5の最高レベルになってるんだけど、何この子。怖すぎるんだけど。しかもウチの最高レベルがこいつって。ヤバい。暴走されたら誰も止められない。気を付けてシークレットっ。


 で、なんでサシャがいないかって言えば。

 奴隷商の方にいないんだ。

 つまり、奴隷商さんは踊り子さんと囚人女しか馬車に乗ってないのに奴隷3人の中から選べとおっしゃっていた。

 そして今回選んだ踊り子さんを手放す。


 囚人女だけを馬車に戻して去っていくおっちゃん。

 サシャと踊り子さんが僕の傍に残っている。

 あの……一人じゃなくて奴隷二人貰っちゃってるんだけど……いいの?


 随分と太っ腹なおじさんらしい。

 折角なのでもう一度周回することにしてみた。

 目の前に現れる馬車と騎士団。

 そら行け皆!


 そして戦闘が終了し、手揉みしながら太っ腹商人がやってくる。

 馬車から出て来た奴隷は囚人女一人だけ。

 一応覗いてみたけど他の奴隷は乗ってなかった。

 まぁサシャも踊り子さんもオリジナルキャラみたいだから唯一人なんだろう。


 そしてそのオリジナルサシャと踊り子さんは僕の奴隷としてここに居る。

 結果、馬車には二人が乗っていない状態となるのであった。

 でも、おっちゃんの台詞は変わらない。


「私共を助けて下さったお礼をしたくはありますが、何ぶん奴隷以外に売るモノが……そうです。この三人の中から誰かさしあげましょう」


 三人、というか残り一人ですけどなぁ。当然囚人女選びます。


「ではでは、私達はこれで。そら、さっさと乗りこめ奴隷ども」


 と、告げるが全員僕の奴隷になったため見送る側だ。

 しばし待っていたおっちゃんは、一人寂しく御者台に乗ると、空の馬車を牽いて去っていった。

 売り物、全部なくなってるけどいいのか奴隷商……


 太っ腹過ぎるおっちゃんを見送った僕らは、無言のまま奴隷三人を見る。

 シークレットさんや、この結果どう見るね?

 困惑してるだけ? そうだよね、あの人太っ腹過ぎて意味分かんないよね?


「ダイスケ。あんた鬼畜だわ。商品奴隷根こそぎ奪うとか。ぶふっ。ワロスワロス」


「これもきっとバグなんでしょうね。お空の上で神様が呆然としているのが脳裏に浮かぶわ」


 ルーカとイリスは苦笑している。ルーカは嗜めながらも楽しそうではあるけど。

 さって、新キャラ三人のステータスを確認するか。

 えっと、全員☆5なのか。鮮血魔嬢サシャ、帝国スパイマルサ、絶望皇女パルマの三人だ。

 やっぱり囚人女が皇女様だったようだ。


「えーっとイリス、奴隷って普通のオリジナルキャラとは違うのか?」


「ダイスケの命令には絶対服従になるわ。命令。って言った後に命令したい内容を告げたらいいわよ」


 そ、それはつまり、あんなことやこんなことも!?


「やってもいいけど、シークレットに言い訳考えるか辞世の句を考えた方が良いわね」


「や、やるわけないじゃないか、はは。あはは」


 背後からプレッシャーを感じた僕は即否定でした。シークレットへの告白。早まったかもしれない。

 うぅ、好きなこと出来る女の子が三人もいるのに……

 シークレットの視線が怖くて何も出来ない僕がいる。


 しかし、この奴隷三人娘。なんっつーか濃いキャラだよね。

 一人はどう見ても大量虐殺者だし、もう一人は皇女。最後の踊り子さんもスパイとか書かれてるし、なんかこう、全員に出し抜かれて僕の傍には誰も残らなそうな気がする。


「ああ、御主人ちゃん。一応の忠告しておくけど。命令で奴隷に危害を加えないよう伝えておいた方が良いわよ?」


 踊り子マルサが人差し指を唇に当て、うふんっと胸を見せつけるようにポージングしながら告げる。


「危害を加えないように? 奴隷ってデフォルトで傷付けない訳じゃないのか?」


「奴隷は命令を与えられれば絶対厳守ですが、それ以外は自由に行動できます。なので縛られる前に主人を殺して奴隷解放すれば後は自由に行動できるのです」


 イリスが補足説明する。

 何ソレ怖い。

 サシャさん、なんでそんなニタリと怪しい笑みしてるの?


「じゃ、じゃあサシャ、マルサ、パルマに命令する。僕や仲間に危害を加えないこと、殺さないこと。あと、えっと……騙さないこと。特にサシャ。女性メンバーに攻撃したりしないように」


「はーい。仕方ないなぁお兄ちゃんは」


「別にいいわ。どうせ絶望しかないんだし……」


「ふふ。本当にそれだけでいいの? 逃げちゃうわよー?」


 マルサさん、奴隷のこと凄く教えてくれるけど、一体どういう理由からだろう? すっごく不安になってくるんだけど。

 とりあえず逃亡しないように三人に命令をして、宿屋に向かうことにした僕らだった。 

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