01
ある村の朝、田舎などの農村の朝は早い4時ぐらいには村人達は起き始めその日の仕事を始める。
「おーいルシオス起きろ朝だぞ」
ルシオスと呼ばれた少年はこの家の末っ子で今週から家の手伝いを始めたばかりだ。
「う〜ん・・・ふわぁ〜あ」
ルシオスは欠伸を噛み締めながら父に返事をする。
「よし!起きたよ父さん直ぐに準備するから」
すぐに身支度を整え部屋を出て父が待つ玄関へと向かった。
パタパタと駆けて行き父を見つけ元気一杯に挨拶した。
「おはよう父さん!」
「はい、おはようルシオス今日は羊からミルクを搾り取ってきてくれ」
「うん!わかった」
そう言うと玄関の扉を開けたすると眩しい日差しが目に入り思わず後退りし父にぶつかった。
「こらこらルシオスそんなに慌てるな怪我するぞ」
父は優しく注意する。
「ごめんなさい。わかった、気をつける」
「よし気をつけて行きなさい」
「はぁ〜い、行ってきます!!」
今度は歩いて扉から出て行った。
外に出ると新鮮な空気を肺いっぱいに吸い込んだ。
「すぅはぁ〜すぅはぁ〜うん今日もいい天気だな」
空は雲ひとつない快晴だった。
「ルシオスくんおはよう!」
声をかけてきたのはルシオスより少し背が高い少女だった。
彼女はルシオスの家のお隣さんで1つ上の歳だ。
この村はあまり大きくない為年が近い彼女は何かと声をかけてくるルシオス自身も彼女とは仲が良いのでよく一緒に遊んだりしている。
「おはようジュリ姉!!」
ジュリ姉とは彼女ジュリーナの愛称で彼女はしっかりしているためこの村の子供達のまとめ役だったりするので同い年の子や年上の子にもこう呼ばれる様になった。
「早いね今日は何するの?」
「今日は羊の乳搾りだよ」
「そうなんだ私は水汲みだから終わったらまた遊ぼうねルシオスくん!」
「うん!」
二人は別れジュリーナは井戸へ水汲みへルシオスは羊が飼育されている柵の方へと向かって歩いていく。
向かう途中他の村の大人達や同じ子供達に挨拶しながら向かった。
そして柵の近くにいる一人の村人の前まで来た。
「バンおじさん今日はよろしくお願いします!」
ルシオスはバンおじさんに向かって頭を下げた。
「おう!ルシオスきっちりと羊の乳搾りのやり方を、教えてやるぜ!がっはっはっは!!」
こう豪快な人は名をバンと呼び若い頃は冒険者を、していたらしくその名残で未だに体が引き締まっていて実年齢より若く見える。
彼は20年前に足を怪我をしてる所をこの村の人達に助けられそれ以降恩返しの意味も込めてこの村に住み村に近づいて来たモンスターを撃退したりと活躍したそのおかげもあり村人に歓迎されこの村の娘と結婚し二児の子をもうけた。
現在は歳も取ったので冒険者もとっくに引退してるのもあり後進の世話に勤しんでいる。
そして現在ルシオスや子供達の羊の乳搾りや簡単な作業を監督している。
子供達からは顔は強面だがその面倒見の良さから親しまれている。
「はい!頑張ります。」
「良し早速羊のところへ・・」
カーン!、カーン!・・とバンの言葉を遮り村の方から鐘の音が鳴り響いた。
「これって・・」
ルシオスは不安そうに呟いてバンおじさんの方を見たするとバンの顔は今までの人なっこい笑みが消え去り険しい表情をし眼光鋭く村の方を見据えてルシオスに
「これは非常事態が起きたみてぇだルシオス急いで戻るぞ!」
そう言うと村に向かって二人は駆け出した。
村には簡易の堀と木の丸太でできた柵が張り巡らせてあり門の所にいる村人にバンは何があったか聞くと
「隣村から逃げてきた村人が村がゴブリンの大群に襲われたらしい今村長の家でその事について話し合いが行われているから早くバンさんも向かってくれ!俺はここで村の者が全員柵の中に入ったか確認して扉を閉めてから向かうから!」
村が緊迫した状態に襲われてる事を知ったバンはすぐに状況を理解し早速村長の家に向かう事にする。
「わかったすぐに向かう!おいルシオスおめぇは早く家にけぇんな!寄り道せずに真っ直ぐだぞ!!」
バンも余裕がないのかその声は怒号に近かった。
「わかったバンおじさんちゃんと家に真っ直ぐに帰るよ」
ルシオスの返事を聞きバンは村長の家に向かって駆け出したそれをみた門の所にいた村人もちゃんと村人全員が柵の中に入ったか確認しに駆け出した。
ルシオスはその後家に向かって小走りで向かった。
ドンっと勢いよく家のドアを開けた。
「ただいま母さん!」
その声を聞いた母が奥からバタバタと駆け出してルシオスをみて抱きしめた。
「ルシオスおかえりなさい。大丈夫だったゴブリンと出くわしてない」
そう言うとルシオスの身体を隅々まで触って怪我をしてないか確認し始めた。
「大丈夫だよ母さんそれにもし出くわしてても一緒にバンおじさんがいたから大丈夫だったよ」
その言葉を聞き母は安堵の息をはいた。
「ふぅ〜そうよね大丈夫よねごめんなさいねルシオスちょっと気が動転してたわ落ち着いて考えれば隣村まで結構距離があるしそうすぐには奴らはやってこないわよね。」
落ち着いた母を見てルシオスは微笑んだ
「そうだよ落ち着きなよ母さんそういえば父さんは?」
「お父さんも村長の家に向かったわ貴方はおとなしく家に居なさいね。そうだわジョバンナさんの所を呼んで一緒に家で待ちましょうよんでくるからあなたはルーカスと一緒に居なさいね」
母はルシオスにそう告げると家を出ていった。
ジョバンナとは隣家の奥さんだつまりジュリーナの母である。
ルーカスとはルシオスの兄で5歳年上でありとても優しく頼りになる。
早速ルシオスは兄ルーカスの元に向かった。
「兄さん、ただいま」
「おかえり、ルシオス大丈夫かい」
「もう兄さんまで心配性だな」
声は呆れてるが顔には満悦の笑みが浮かんであった。
「そりゃ心配するさ家族なんだからね。ほらこっち来て座りなよ今ホットミルクを用意するから飲もうよ」
「うん!わかった」
兄に勧められるまま席についた。
暫くすると玄関から音が聞こえて向かうと母がジョバンナおばさんとジュリーナを連れて帰ってきた。
「お邪魔するわねルシオスくん」
ジョバンナはルシオスに微笑みながらそう告げた。
「いらしゃい全然大丈夫だよ寧ろ嬉しいぐらいだよ。もちろんジュリ姉もね」
そう言い二人に微笑んだ。
ジュリーナは顔を少し赤く染めながら
「ありがとうルシオスくんお邪魔するね!」
「うんようこそ!ゆっくりしていきなよ」
ルシオスも、本当は不安で一杯だが2人もそうだから母さんが呼びに行ったのを子供ながらに理解しているため精一杯の笑顔を浮かべた。
そのことがわかった母メリーとジョバンナはより一層笑みを深めた。
「ありがとう!ルシオスくん頼りにしてるよ!」
冗談めかしにジュリーナはそう告げた。
「任せといてよ!皆んな守ってみせるよ」
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ルシオスは、この日の事をこう手記に書き記した。
ことの日の出来事は忘れることはないだろう、この日私の中に確固たる意志が芽生えたのだから。
これが後に騎士の中の騎士と呼ばれた男の騎士道精神の原点なのかもしれない。




