***
タカコの向けた銃口を前にして、その男は怯えた表情を顔いっぱいに浮かべていた。
色鮮やかなネオンの瞬く真っ暗で近未来的な幻想空間で、男の両肩はタカコの撃った二発の銃弾に打ち抜かれ血塗れだった。
傍らには男の持っていた銃が転がっているが、それがもうタカコに向けられることはない。
だらりと垂れて動かなくなった腕の痛みの為か、それともこれから訪れる永遠の眠りを恐れてか、男は懇願するように、
「た、頼む……! 撃たないで――」
――パンッ
瞬間、タカコは容赦なくトリガーを引いた。
男の眉間に穴が開いた瞬間、跳ね返ってきた血がタカコの顔をわずかに濡らす。
衝撃で仰向けに倒れた男が事切れたのと同時に、
『CONGRATULATIONS! Winner : Takako Kirigaya』
甲高いファンファーレが鳴り響くのと同時に、花火の如き文字が空いっぱいに撃ちあがった。
タカコは鼻で笑うと軽やかに銃を手の内で回し、腰のホルスターにかちゃりと収める。
――これで一〇〇〇点。
どいつもこいつも生ぬるい殺人者ばっかりでつまらない。
どこかに骨のあるやつはいないものか……
まだまだ殺したりない。
手っ取り早くポイントを貯めて、願い事を叶えてもらわないと。
そう、思ったときだった。
背後に立つ人の気配に再びタカコはホルスターから拳銃を抜き取り、振り向く。
そこに立つ人影を目の当たりにして、タカコは目を見開いた。
「――ガーディアン!」
それはこの世界『マーダーゲーム・サバイバル』を破壊せしめんとする憎き仇敵の通り名だった。




