欲望
色々と疲れたため、ト書き少なめになってます。
スキル~交夜の誘惑~
対象(異性限定)を自分の虜にする。
代償 ???
習得しますか?
「シンヤ?どうかしたの?」
「いや。何でもない。少しトイレに行きたくなっただけだ」
そう言って席を立つ。
会場の外へ出て、声を荒げて叫ぶ。
「ふざけんじゃねえ!クソ野郎!どこに!どこにいやがる!
分かってる。
寿命も、左目も、生殖能力も。
失ったのは自分の決断。
そこまでは許容できた。
だが最後のスキルの提案。
あれだけは許すことができない。
お前は肉欲に負ける下衆な人間だと。侮辱以外のなにものでもなかった。
そんなふざけたことを考えている奴を殴ってやりたい。
やり場のない怒りを、振り下ろす場所がない拳をぶつけてやりたかった。
相手が来るはずもないのに——
「呼んだかな?」
背後から聞こえてきた声。
それは、転生する時に聞いたものと全く同じ。
優しく慈愛溢れれその声から女神のような人物像を予想していた。
だが、一目見て即座に理解した。
それは神の対極に位置する存在だと。
胴体こそ人間のそれである。
だが首から上は、ヤギの頭。
黒のスーツで着飾った完璧なドレスコーデが、逆にその異様さを際立たせている。
恐怖を具現化したような禍々しい姿。
だかヤケになった俺には、それに怯えることができるほどの理性が残っていない。
「お前か。ふざけたスキルをよこしやがった張本人は」
「全くその通りだよ。願っただけでスキルが手に入る。最高にふざけていて、最高に愉快な能力だ。君もそう思うだろ?」
「どこが愉快なのか理解できねえな。代償が必要な上に、ふざけたスキルを掲示しやがる」
「前半部分については私も同意する。だが後半部分の批判についてはいただけないね」
「~金欲の代価~が提示するスキル。それは目標を達成するためではない。欲望を叶えるためのスキルを掲示する。君が何かを強く欲した時、能力はそれに応える。君はあの女に対して肉欲を抱いた。だからそれを叶えるスキルが掲示された。」
「ふざけんじゃねえ!俺がそんなこと思うわけ——」
「理性がどうであろうと、君の本能がそう欲した。だからスキルが掲示された。君にはガッカリだよ。せっかく当たりスキルをあげたのに、全く使いこなせてない」
「だが、もし本当にスキルがいらないと思うならば、そう欲せばいい。能力を消すスキルが提示されるはずだ」
こんなものいらないはずだって
でも、もしこのスキルが無かったら。
異世界に来て、ろくな知識もフィジカルもない。前世で積み上げてきた努力も全く意味をなさない。
もしこのスキルが無かったら、俺は…..
そう思うと、最後の一歩を踏み出せなかった。
「懸命な判断だ。そのスキルは取っておいたほうがいい。君の他にも、スキルを持った転生者はいるからね」
第一章 エクス•マキナ編 完
しばらく執筆を辞めます。
就活やゼミの進級論文など私生活が忙しいのと、ポイントが伸び悩み書くモチベがないため。




