プロローグ
始めまして。彩名氏シエルと申します。
処女作です。本日は8時、12時、20時の3話登校、それ以降は20時に1話ずつ登校していきます。
つたない文章ですがどうぞよろしくお願いいたします。
プロローグ:神話回帰
西暦20xx年。
日本の暦で4月のある日、地球全土が激しい地震に襲われた。
地震の少ない地域では大パニックを起こしたが、いつものことだと受け流す地域もあった。
誰もが天災に見舞われたことを嘆きつつも日常の延長線上で考えていた。
しかし、次の瞬間、地面から光が湧き出した。
そうとしか言いようのない現象が地球全体で起こったのである。
そして、そこから異常な事が起こり始めた。
それまでは存在しなかった洞穴や竪穴が出現し、そこに興味本位で入った者は、誰一人として帰ってこなかった。
何か奇妙なものを感じると言った人々の中には、手から炎や水を出す者も現れた。
終いには、空中を浮遊する岩石さえも発見された。
その岩石には、体積を上回るほどの深さを持つ竪穴が穿たれていた。
そして、それらの竪穴からは既存のどの生命体とも異なる、後にユーン(UNE)と総称されるようになる化物たちが生息していた。
これらは最近のはやりと分かりやすさからダンジョンと呼ばれ、各国の軍や自衛隊が多くの人員と予算を注ぎ込んで調べていた。
しかし、そこまでなら他人事でいられた。国のお偉方や研究者は大変だなで済まされた。
しかし、それどころではない現象が人々を襲ったのである。
スタンピード。アニメや漫画が普及している地域ではおなじみの言葉。
ダンジョンと呼ばれる怪物の巣から、人間を襲うために溢れ出してくる現象。
地面が光ってから1年後、それが世界各国で頻発した。
最初は東南アジアの紛争地域だった。
そこでは軍同士の小競り合いでダンジョンへの調査がおざなりになっていた。市民へのデモンストレーションとして軍人が数人入る所を見せてはいたが、
入り口近くで何体かのユーンを倒し、すぐに帰還することを繰り返していた。
それが良くなかったと調べがついたのはずいぶんと後になってからだった。
軍と軍が争いあう最前線。そこに唐突に異形の化物たちが乱入し、そこにいた軍人たちを皆殺しにした。
生き残ったのは後方に控えていたわずかな部隊と非戦闘員の一部だけだった。
そして、そのニュースが広がり切る前に、世界各国で同じことが起こった。
そこでは多くの被害者が出た。建物の多くも倒壊し、小国のいくつかは実質的に崩壊した。
そして人類は気が付いた。今、これまでの科学の時代は変わり、剣と魔法の世界のような、そんな神秘の時代に変わったことを。
そんな静かなれど前代未聞の大災害。誰が言い出したか神話回帰と呼ばれることになったあの発光現象から約3年。
そして今、また、一人の少女がダンジョンに潜ろうとしていた。
目的はただ一つ。己の生命を守るために。




