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親子二代の離婚  作者: あまやま 想
それぞれの人生と選択肢
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母と子ども達の微妙なずれ…(2)

 一体、辰雄やゆり達の家族はこの十日間で子ども達に何を吹き込んだのか? ここまで来ると狂気の沙汰である。辰雄を許せだって? そんなことできるはずないじゃないか…。彼は完全に越えてはならない一線を完全に越えてしまったのだから。もはや、どうすることもできない。


「母さん、お願いだから、離婚なんかしないでね。約束よ。じゃあ、冬彦に変わるね」


 そんな約束なんて、できるはずなんかないじゃないか! もう、離婚は成立してしまったのだ。そして、二人は小秋が引き取ることになったのだ。桜と冬彦の二人がどんなに離婚しないでと…望んでも、もはやどうにもならない。


 小秋だって、辰雄が浮気さえしなければ、離婚なんかすることはなかっただろう。むしろ、死ぬまで辰雄と共に在りたかった。何もかもが壊れてしまった全ての責任は辰雄にある。


「母さん、元気? 母さんがずっと電話に出ないから、ずっと心配していたんだよ」


『心配かけて、ごめんね』


 心配をかけているのはどっちだよ…と小秋は思ったが、さすがにそれは口に出さなかった。二人を家出に追い込んだことについては、小秋も少なからず責任を感じていたからである。


「ところでいつ、僕らを迎えに来てくれるの?」


『もうすぐ、迎えに行くから、待っていてね…』


 勝手に家出したくせに、迎えに来てくれとは何様のつもりかと思ったが、グッと堪える。理由があるとは言え、十日もの間、子どもからの電話をほったらかしにした負い目があった。


「母さん、突然、家出してごめんなさい。姉ちゃんと家出して、父さんと母さんを困らせたら、二人ともケンカをやめて、仲直りして、僕らを迎えに来てくれると思っていたんだ…」


『……』


 小秋は口をポカンと開けて、ただあきれるしかなかった。もう、限界である。早く、二人に現実を教えてあげなくては…。その前に、義姉・ゆりには言いたいことが山のようにあった。


 どう言う理念があって、このようなことをしているのか知らないが、嘘を吹き込んで現実から背ける事が正しい事とは思えなかった。確かに現実を知れば、子ども達は傷つくが、この先も生きていれば傷つくことなんていくらでもある。


 小秋は子どもには傷つく事から逃げずに、前向きに立ち直れる力を付けさせるべきだと考えている。臭いものにふたをするなんて、それこそ偽善者のやることである。それだけにゆりのやっていることが許せなかった…。


『冬彦。ちょっと、ゆりおばさんと、電話変わってくれるかな?』

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