表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
断罪された聖女を拾ったので、世界の理(バグ)を物理的にデバッグします。~モノクル知能令嬢の、愛と演算の再構成(リビルド)~  作者: かめかめ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

8/54

第2部 第2話:浮遊島の調律

浮遊島で平穏を取り戻す二人。しかし、小さな残留バグが静かな日常を揺るがす――完璧な世界に忍び込む、予測不能の影。

朝の光が魔導工房の窓から差し込む。銀色の髪が光を受け、フェリシアは魔導レンチを軽く振った。


「リリィ、温度は21.5℃、湿度は44%…微調整完了」

「ふふ、毎日同じ計算ですね」


リリィがベッドから伸びをすると、工房内の空気が自然に揺れ、魔素が微細に整列する。

「世界はまだ完全じゃないけど、ここは安心よ」


だが、微かに工房の隅で異常波形が検知される。モノクルが赤く瞬き、フェリシアの眉がぴくりと動く。


「……これは…想定外の残響バグね」


通常なら瞬時に解析できるはずの波動が、微細な計算誤差0.2%を生んでいる。レンチを振り、魔力で制御を試みるが、波動は一瞬だけリリィの心拍に干渉し、わずかな動揺を与えた。


「大丈夫…フェリシア?」

「ええ…でも、完全に消えたわけじゃない。小さな残響はこの島に残る」


リリィは胸に小さな不安を抱えつつ、フェリシアの指先に手を委ねる。窓の外では黒い雲の端に異形の影が浮かぶ。管理局の監視者が再接続してきたのだ。


「……まだ予測不能な要素があるわね」


フェリシアはレンチを掲げ、残響バグを物理的に調律する。微細な震動が工房を揺らし、波動は粉々になる。リリィの手を握り、抱き寄せる。微かな恐怖と安心が交錯する瞬間。


――完全ではないが、これが「人間の目で見る世界」。

浮遊島の平穏は甘く、しかし少しだけ手に汗握る色を帯びている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ