春の日4
「あずみちゃん心配要らんて。初任務と光の家の2つは結局ワイらと遼さん達だけで片付けたんやで。今回はワイら手こずらした琢磨はんが味方で百発百中の潜在力歴代屈指の真美ちゃんもいて、警視庁もバックアップしてくれはるんやろ?ナイツからも出来るだけのバックアップ咬ますんんやから」
「そうだよ。あずみ!!僕も千堂も成長続けてる。幻獣街は厄介な場所だけど基本的には不干渉が鉄則で、カラーギャングのメンバーははぐれ者で住人じゃない。それに敵に回らず味方してくれそうな心当たりが無い訳じゃないんだろ、千堂」
「そや、心辺りが二三有る」
「ま、私が足手纏いしなきゃ超常的な能力者相手はナイツのお家芸。心配要らないよ、三島さん」
遼も言い添える。
「あーあ、男は待つ身の女の苦労解んないんだから。市川さんも千堂君も待ってる人いるんだらから慎重にね。でも今回は大丈夫よ、三島さん。警視庁も渋谷ヒカリエ抑えてスワットから腕利きのスナイパー総動員する。垂直的な狙撃で確実に戦力半減させて見せるから。ナイツの真美ちゃん?その娘、凄腕のスナイパーなんでしょ。ナイツからは初めからその3組だけで一晩で黒竜会と獏は排除のシミュレーション立てて来たたが、本人に確認しろってのが本店の指示なんだから。それに私は狼男の添島琢磨と蓮君達の戦闘見た。味方に回るんだからフォアードは磐石よ」
「私ナイツに係わってから数字だけ相手にして具体的な仕事内容は初めてで、生身で殺意ある相手と戦うって心配で。その為に毎日訓練して来たの聴いてるけど・・・」
「あずみ必ず君の所に帰ってくる」
「言うやん。蓮」
「茶化すなよ。千堂。照れずに言えたのに」
「信じてる蓮。それに千堂君、市川さんや疾風。琢磨さんや真美ちゃんも」
「うん」
「任せや」
「妻が待っているので」
話しが落ち着いた所で遼はあずみに指示する。
「ルシファーが立てた基本的戦術とシミュレーション、三島さん人数分プリントアウトして」
機密を重んじる場合は今の世もデジタルよりアナログチックな媒体の方が重宝される。そして、慣例に習い琢磨と真美の二人はルシファー直々に初仕事が伝えられる為に、オーナー室に呼ばれていた。後で合流して細部の確認をするが、二度手間を責める者はなかった。
この一連の行おうとする追跡と戦闘を市民の安寧の為の戦争とするなら、戦略と戦術について述べよう。戦争を登山に例えた人言わく、どの山に登るか決めるのが戦略。どのルートでどのようにアタックするのか決めるのが戦術。一歩一歩あるいてすすむのが個々の戦闘。蓮達の場合は戦略は警視庁とナイツ共闘で、幻獣街進入が戦略で、替えようが無い。そして応接ブースで長々と確認やら検討して蓮と千堂バディを1班、遼、疾風、琢磨のバディプラス1を1班のツートップを真美、警視庁スナイパーのバックアップする前提で組上げた戦闘プランが戦術で戦術は負傷など考えられる事態に即して組み換えられる様に柔軟性がある。戦略は状況や命題により正解が決まるが戦術は戦略が大前提として正しくなければ意味を無くす。今回の戦争は黒竜会に覚醒剤を渡さず若槻一樹とブツ回収という命題が動かし難く、戦略的に自由が制限され甚だ戦略が正しいかは疑問なのだが、やらなきゃ後がないは蓮達の場合は慣れていて、その状況で立てた戦略のイカサマと言うべきファクターが異能であり、これ迄ナイツの立てた功績はこれを独占してたからなのだ。今回は相手も七枚の超常的な能力のカードが有る。あずみを安心させる為の言葉は真実となるか否か。力の強弱と使い方で決まる。使い方はナイツに一日の長有りか。




