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桜の世紀  作者: 愛媛のふーさん
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春の日3

 黒竜会若頭、鰐淵徹治が狂犬の異名の通り真夜中に吠えた日から4日、蓮達の訓練の日常が終わりの時を迎えようとしていた。訪れは美しい妙齢の女性の姿をしていた。春休みなので蓮達は朝からナイツで訓練に汗を流していた。あずみから蓮と千堂に至急応接ブースに来てほしいとメールが来た。

「何やろな?」

「新しい任務柄みだろうね」

「そやな」

バディを組んで任務こなす事三回、半年以上共に精進してきてツーカーに成りつつある。あずみから指定された番号のブースの遮音扉を開けると

「ご無沙汰」

土井美佳巡査長どいみかじゅんさちょう!お久しぶりです」

「美人のねーちゃん刑事、元気やった?」

「美人なんて千堂君お上手ね。元気でバリバリ犯罪取り締まってるわよ。緋村君、お久しぶり。今は巡査部長よ。口止めの昇進。片山さんも警部捕に昇進、定年は警部確定」

「協力依頼ですか?」

「勘が良いと言うか其しかないわね。今、渋谷が管轄なの。ちょっとナイツの協力無いと厄介な案件で、本店が私が接触有るの知ってるから管理官の指名で派遣されて来た訳。ま、二人の顔も見れるかなってね」

「ねーちゃん彼氏出来た?当たりが女ぽいで」

「鋭い。実は・・」

「おめでとうございます」

「おめでとさん」

ナイツ調査部エージェント、元本庁捜査1課の刑事である〈トカゲ〉こと市川遼が咳払いして

「挨拶はその辺で、三島あずみさんは文章作成に来てもらってる」

「緋村君、カノジョなんだって?」

「巡査部長本題を」

先を促す。

「こほん。3日前横浜の倉庫で某国工作員二人の爆死体が発見されました。公安がかねてから外貨獲得ため覚醒剤の密輸の疑いで内定してた人物です。覚醒剤の取引柄みと見て捜査した所、取引先として関東一円で活動中の黒竜会が浮上。更に詳しく調べると黒竜会はブツを奪われて犯人を追っている。黒竜会と同時期に犯人を警察も把握。若槻一樹わかつきかずき。元アフガニスタンで米軍側の傭兵として活動しその後帰国。サバイバルの達人で現在、ソ連製トカレフ13連発とかなりの実弾を所持。従軍中に薬物に染まりかなりのジャブ中毒。警察と黒竜会の両方から追われ、厄介な場所に逃げ込みました」

「厄介な場所って?」

蓮が訊くと千堂が受けて

「渋谷やろ?彼処やな。幻獣街げんじゅうがい!蓮、お前には話したろ」

答えた。蓮は黙って頷く。あずみ独りキョトンとして訊く。

「幻獣街?」

長台詞で疲れた喉をアイスレモンティーで潤して美佳が説明する。

「渋谷の路地裏からしか入れないスラムと言うか無国籍な住人が集う街です。超常的な能力、呪術や魔道などナイツの専門分野のオンパレードの街。手入れに入って行方不明や死者こそ出して無いものの不可思議な体験した警視庁の職員は数知れず。魔の聖域なの」

「そんな所在るんですか!?」

「私もナイツに係わる迄信じてなかった」

「幻獣街じゃ、ナイツのエージェントしか追えんな」

「黒竜会は諦めたんですか?」

蓮の問いに今度は黙ってた遼が

「黒竜会のケツもちしてる渋谷のカラーギャング動員して来た。厄介な事に幻獣街出身のメンバーが居て奴等も幻獣街で追える」

「渋谷のカラーギャングの一つ〈ばく〉リーダーは西連寺敦、何ヵ国の血が混じってるか本人も不明の幻獣街の申し子です。超常的な能力は使うと本店は判断してます。後黒竜会の若頭、鰐淵徹治と配下。こっちは超常的な能力は有りませんが、火器に気を付けてください。合わせて50人強。本店の把握では西連寺のメンバーで超常的な能力者は六人、神セブンだとか」

「神セブンはAKB48だけにしてや」

「更に悪いお知らせが」

とあずみがおずおずと報告する。

「〈棋士きし〉以下ベテラン3バディをブラジルに派遣の指示が、即時招集掛けても当分は蓮と千堂君の組、遼さん、疾風組、初任務の二人の戦力半減以下でのミッションになります」

心配の余りあずみの声は最後消え入りそうだった。

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