王城侵攻
す、すいません一話とばして投稿するなんていうものをやってしまいました・・・orz
「なるほど・・・な。あのお嬢ちゃんが攫われるのは二度目。か。これは何かあるかもな。」
場所はレニの家のリビングにある机だった。
そこで今までの話を大まかに説明した。
「何か。っつってもな。今回もナル勢かどうかは分からないわけで。」
見鏡がそこで訂正をいれると、レニはふむ、と頷き続けた。
「まぁ、見鏡が気付いているかどうか知らんが、あのお嬢ちゃんも神柱・・・じゃないか・・・?」
「どういう・・・ことだ?」
「まぁ、俺の見立てではあのお嬢ちゃんにはすでに天使が宿ってる。それもかなりデカイのがな。」
その台詞は、見鏡一行を騒然とさせた。
「ど、どういうことなんだ?伊井島に天使?ハハッそんな訳あるはずが・・・」
レニの推測を本条があしらおうとすると、レニの眼光が鋭くなった。
「だからあるんだよ。原石と呼ばれているのがな。後付で人間に宿すことの出来る天使は大体が地位の低いもの・・・まぁ大天使とかは出来ないんだ。」
「なるほど・・・でもなんで攫う必要があるんだ?」
「あぁ、異能者の中には人に宿った天使を吸い取ったり付与したりできる異能者がいてな。まぁ恐らく生贄という体裁と共に天使を吸い取り殺害。これが段取りだろうな」
「生贄っていうのはどういうことだ?」
「最近あの国では疫病やら飢饉が続いていてな。恐らく神が怒っているのはこの娘が神の力を冒涜する力を持っているからである とかなんとか言い訳でも考えるだろう。いつかの魔女狩りみたいなもんさ」
それはかの魔女狩りのような方法で国民全員の恨みを一人に向けそれを殺す事で民の怒りを一時的に収めるといった方法だ。
確かに効率的ではある。効率的ではあるのだが・・・
「つまり小を殺して大を生かす。って事か。」
「ま、そういうこったな。」
そこまで話すとしばらくの沈黙が流れた。
一見諦めかけていると思える雰囲気だったが、全員の意思は既に決まっていた。
「つまり、彼女はその国に捕らえられてるのですね?その国の名前は?」
そう、救出だ。
「ああ、その国の名は――――」
****
場所は大きな城と城下町を一望できる小高い崖。
そこで見鏡達は地面にこの国の地図を書き作戦を立てていた。
「ヘスティア―――この大陸で四位の大きさを誇る国だね」
「レヴィア・・・お前なんでそんなに地理に詳しいんだよ。」
「まぁ、それなりに地理の知識がないと行けないところにいたしね。」
「あぁ、そうだったな」
「おい、この国の軍事力はどのくらいなんだ?」
「四位だからね。結構大きいね。さっきの吸収系の異能者の報告はないけど、聖騎士と呼ばれる世界で五本の指に入る人間がいるね」
「あぁ面倒だな・・・」
「ま、そうも言ってられない状況だよね。」
「確かにな。じゃあ作戦でも立てようかまぁ定石として正面でかく乱そして裏から進入。これでどうだ?」
「うん、そうだね。なら後ろからまわる役は秋乃にお願いしてもいいかな?」
突然話題を振られると少し慌てたように反応した。
「え・・・え?私?」
「そう。君。君は確か訪問でこの国の城に入ったことがあるだろう。」
「あ・・・あるけど・・・」
「ま、頼んだよ。だいたいこういう生贄は大きい部屋に閉じ込められてるもんだ。しかも一番人の近づきにくい一番高いところ。」
「つ、つまりあの真ん中の大きな塔を目指せばいいんだね?」
「そういうことだ。」
そういって秋乃が指差したのは巨大な町の中央にそびえ立つ巨大な尖塔だった。
「しかし・・・どうする?城下町が戦闘の舞台になってしまっては国民の命が・・・」
そう、当然の疑問をレヴィアが言うと、見鏡は即答した。
「ま、なんとかなるだろ。別に俺達は国を潰しに来たんじゃないしな。」
そこまで話を続けると、話題はソウカ姉弟へと移った
「で、ソウカ姉弟はどうするんだ?」
本条が疑問を口にすると。姉弟から訂正の言葉が入った。
「すいません、今更なのですが、ソウカという苗字は偽名でして・・・失礼ながら名前で呼んでもらえますか?」
「あ、ああ・・・」
偽名。おそらく出会った当初は見鏡たちのことも信じられなかったのだろう。
まぁ、当然と言っては当然だが。
「じゃあ、二人は市民がパニックを起こした時の誘導係を頼む。」
レヴィアが言うと二人は勢い良く頷いた。
そこで、せりたった崖に座り込んだ見鏡一行が一斉に立ち上がった。
そろそろ行こうか、と言うところで崖後方の森からレニが何かを抱えて登場した。
「おい、これお前達にやるよ。」
そういって一番近くにいた秋乃に渡したのは純白のローブと漆黒のローブだった。
「まぁ色は好きなのを選べばいい。このローブは顔を隠してくれる。さらに気配を消す機能に加え相手の攻撃を和らげてくれる優れものだ。」
秋乃が地面に二色のローブを置くと、各自ぞろぞろと自分の好きな色を取って行った。
すると綺麗に女子は白、男子は黒となった。
「助かる。顔を覚えられると面倒だからな。」
「ああ。俺はやることがあるから参加できなくてな。すまん」
「いやいいさ。」
そういってもう待ちきれないというかのように崖の先に歩いていった。
「もう行くぞ。」
そう言って全員に合図をすると、見鏡は崖から飛び降り、崖の中腹あたりで崖を思いっきり蹴り真っ直ぐ門へと飛んでいった。
「せっかちだなぁ。」
シンリアがその様子をみながら呟いた。
「ま、俺達もぼちぼち行きますか。」
そう呟いたところで門が盛大な音を立てて破壊された。
最後まで読んでくださってありがとうございます!
王城侵攻!
なんかこういう多数VS少数みたいな多勢に無勢みたいなのっていいですよね!
興奮します!(
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