井の中の蛙
PV2000超えありがとうございます!
たった2000と言う人もいるかもしれませんが私個人としては感動ものです!
ありがとうございます!
長くなってしまいましたが21話です!
「敵だー!敵だー!総員正門の敵を倒せ!」
指揮官に見える男が叫ぶと、門を破壊した見鏡の元へぞろぞろと兵隊が集まってきた。
「せっかちなんだよ全く!」
敵に囲まれた見鏡を助けるべく敵陣へ突撃する本条。
もう少しで敵陣へ到達する・・・というところでとつじょパキン!というおそらくガラスであろうモノが割れた音がした。
刹那。
世界が灰色に塗りつぶされた。
「あ・・・・?」
突然の世界の変化についていけず呆然と口を開け立ち尽くす本条。
何が起こったのかわからずとりあえず見鏡のところへ行こうとすると、そこにも異常があった。
人が止まっている。空中にいる投げ飛ばされた人間も。崩れ落ちる城壁も。何もかもが止まっていた。
とりあえず現状で一番事態の飲み込めそうな見鏡に駆け寄り、ダメ元で肩を叩くと見鏡の体に色が戻った。
そして見鏡が振り返る。
「なっ!?」
見鏡もすぐに異変に気付いたようだ。
「おい・・・これ・・・・まさかお前が?」
おずおずと言った様子で本条に聞いた。
「あ、ああ・・・」
「様子をみるに・・・時間が止まってる・・・のか・・・・?灰色なのは光が流れてないからか・・・?いやそうすると何も見えないはず・・・」
「だよなぁ・・・まぁそこらへんはご都合主義なんだろう。」
「納得いかねぇな・・・それにしても、お前俺に触ったら俺が動き始めたんだよな?」
「あ、ああ。」
「ちょっとそこの石に触れてみてくれ。」
そう言って地面に転がる石に触ると、その石にも色が戻った。
流石見鏡。こういうときに冷静な人間は頼りになる。
「成る程な・・・」
「どういうことだ?」
「つまりお前が触ったものには時間の流れが戻るんだ。つまり時がとまった状態で人間を殺すのは不可能。といった感じか?」
そういって次に指示したのは先程時間の流れを戻した石を相手に投げつけることだった。
すると、投げて敵と自分の真ん中まで言ったところで石の動きがぴたりと止まった。
「なるほど・・・一定の距離を持つと動きが止まるのか。つまり俺とお前の距離が離れれば俺も止まるって事か・・・これは練習さえすれば距離が伸びそうだな」
「ほぉほぉ・・・」
「で?どうやって戻すんだ?」
「え・・・・?」
「まさかお前・・・」
「あ、あはははははははは」
「ハァ・・・・・まぁしばらくすると戻るだろう。今のうちに上に上がるか。」
そういって敵に触らないように城門へ進みこじ開け進む。
「そういえば、武器で人間を切ることはできるのか?」
「あぁ、やってみるか。」
本条がそういって腰から短剣を引き抜くと近くにいた敵の首を狙い突き出した。
すると、一応刺さりはしたが何も怒らなかった。
「なるほどな。きっと時間が動き出したら血が噴出すんじゃないか?」
それを想像し顔色を悪くする本条。
「ってか、そんなこといったら最強なんじゃね?俺。」
「いや、攻撃する攻撃しないそれ以前に近づけなかったら意味がないだろう。それに――――」
そう言いかけた所で本条の能力が限界を超えた。
パキン!という音と共に再び時が動きだした。
目の前にいた敵が驚愕し、さらに後ろの兵隊から血が噴出した。
「チッ面倒な・・・!」
そういって見鏡はディールークルムを引き抜き電撃を纏わせ横薙ぎに払った。
すると通路の壁、天井、床に電気が走り兵隊を根こそぎ気絶させていった。
「おぉ・・・・お前は全くチートだな・・・」
「時間操作できるお前に言われたかぁねぇよ。」
そして進むと、大きな広間に出た。
とくに構わず王座があるであろう所へ進むと突如前方に人影が出現した。
それを確認するとズザザッと音を立てながら走りを止める二人。
「やぁ、待っていたよ。異能者諸君。」
それは好青年を思わせる声だった。
「お前が 聖騎士 か?」
「ふふふ、その呼び方はあまり好きじゃないのだがね。君のような強い異能者にその呼び方で呼ばれると嬉しいね。」
「なんだ本条お前有名なのか。」
「いや、明らかに今のはお前のことだろ。」
「まぁ、ここは通さないよ?」
「いや、お前の方が現時点では強いだろ。」
「何言ってるんだよ武闘会ではお前が勝ったじゃねぇか。」
「あぁ?」
敵を無視して話を続ける二人に流石に痺れを切らしたのか、男が剣を地面に突きたて会話を中断させた。
「オイオイ、人の話を最後まで聞けないお坊ちゃまかよやってられねぇなぁおい」
おそらくフードの下では嘲笑を浮かべてるであろう見鏡。
それに続き本条が言葉を連ねる。
「ホントになぁ、いいところで育ったお坊ちゃまは躾がなってないよねぇ。」
ブチという音が聞こえた気がした。
「君たち・・・ねぇ・・・・い、い、か、げ、ん、に、し、な、さ、い!」
そういってドン!という音と共に男を中心にヒビが放射状に広がった。
「門術かよダルイな。」
「へぇ、君たちも門術を知っているんだねここまでの教養があるとは思わなかったよ。」
「やっすい挑発だな。えぇ?俺がその程度で顔真っ赤にして怒るとでも思ってんのか?」
「思ってるとも。君のような浅い底の持ち主はそろそろ限界なんじゃないか?」
「浅い底・・・ねぇ。アンタ何時から井戸の中で過ごしてんだ?あぁ、生まれてからか、すまないね全く全国の軍隊の中で五本の指に入るからって調子に乗って・・・だいたいその中には神柱入ってないんだろ?」
「神柱・・・?なんだそれは・・・?」
「オイオイ聞いたか本条・・・神柱しら知らない世界屈指の聖騎士だってよ・・・」
「だっせぇな。」
二人がそろって鼻で笑うと完全に男が切れた。
「ハッ 底がもう丸見えだぜ?お坊ちゃん。」
そういって見鏡がディールークルムを地面に突き刺すと、地面から雷でかたどった狼のような形をしたモノが出現した。
「いやぁ、見鏡一族の能力も捨てたもんじゃないな。会得した能力は改変可能なんだぜ?」
そういって剣を抜き横に払うと雷の狼が男に向かって駆け出した。
それを何処から引き抜いたのか手に持つメイスで払うと余裕をもった声でいった。
「作れてもたかが一匹。たいした脅威にはならないな」
今度はじぶんの番だとばかりにさっきまで見鏡たちがいたところに飛びかかろうとすると、既にそこに見鏡たちはいなかった。
「あれ?あの黒いフードの人間達はどこにいったんだ?」
後ろから声がした。
それに反応し、顔を向けるより先にメイスを突き出す。
それを難無くかわすと男の手を捻りメイスを取り上げ男の首に叩き込んだ。
「ガッ・・・ハッ・・・・」
口から空気を吐き出しながら倒れていった。
「さぁ、俺達も尖塔に向かうぞ。」
「まったく聖騎士が一瞬かよ。」
「あれが本物かは置いとくがな。」
「え?」
****
一方シンリアは
「全く入り口に見鏡たち居たんじゃないの・・・・?」
敵の包囲網を掻き分け横道のようなところから城の中へと侵入する。
「さて、ヘスティアの城は確かこの近くに王の主寝室があったはず・・・」
何故か詳しいシンリア。
スタスタと極力気配を消しながら通路を進むと、目の前に見張り兵がいた。
それを後ろから近づき気絶させると主寝室へと忍び込んだ。
「王はこういう騒動があるときは主寝室から続く通路から逃げるのが定石・・・」
壁をしばらく調べると、暖炉の横にある壁に扉があった
その扉の前には他にはない埃が落ちていた。
「しばらく開けてなかったのを開けたって感じね・・・」
そこを開けると、地下に続く階段があった。
「正解!」
その階段を下りていくとドーム型の広場があった。
「白いローブは目立つわね・・・」
愚痴りながらも次々と仕掛けられたトラップを解除していく。
最後のトラップを解除したところで突如広場の照明がついた。
「ばれた!?」
思わず大きめな声を出してしまったことに反省しながらも隠れるところは無いかと周囲を見渡すと広場に円形に設置されている円形の支柱が目に入った。
そこへ隠れると複数の男性と女性の声が聞こえた。
「どうなっておるのじゃ!例の小娘を攫ったのはお前達じゃろ!?あの小娘の能力をわが物にする前に殺されてしまっては意味が無いだろう!さっさとあの小娘を連れて来い!」
恐らく側近に言ったのだろうか、すぐにハッという了解の声と共に一つの気配が消えた。
「全く使えない人間だ・・・!」
王が叫ぶと、女王であろう女性が反応した。
「全くね!あんな使えない人間を雇ったのが間違いだわ!」
その会話を聞くとシンリアは思った。
(相も変わらずヒステリックなおばさんね。)
「あ・・・あの・・・」
おずおずと呟くのは皇子だった。
「なに!?」
「い・・・いえ・・・なんでもありません・・・」
女王に気圧されたのか言おうと思ってたことをすぐに取り下げる皇子。
(ふふ、相変わらず気が弱いなぁ。全くそれじゃあ将来王になれないっていったのに全然直ってないのね。)
笑みを含んだ表情を浮かべると、柱から王の目前に身を躍らせた。
「久しぶりね。ヘスティアの裸の王様」
「な、なんじゃ!?貴様は!?」
「あらあら、忘れてしまったの?あなたの国が裏切ったシルバトリアの王女よ?」
「貴様!レティか!何の目的でこんな事を!」
「あらあら、勘違いしてもらっては困るわ。この事件の首謀者は私ではありませんよ?恐らく聖騎士とやらはもう倒れてると思いますよ?」
うふふ、と妖艶な笑みを浮かべながらカツカツと王達へと歩みよるシンリア。
「貴様っ!復讐か!?」
「えぇ、復讐よ。アナタを殺してその気弱皇子を王様にするの。皇子の執事は優秀ですからね。さぞいい王様になることでしょう。」
そこまで言ったところで、皇子が口を開いた。
「お姉ちゃんなのか!?レティおねえちゃんなのか!?」
「そうよ。私はレティよ。久しぶりね気弱な皇子さん♪」
「な、名前で呼んでくれと言っているだろ!」
「貴方がしっかりと独り立ちしたらね。」
姉というのが一番しっくりするような雰囲気から一転。
殺気が噴き出した。そして皇子の背後に一瞬で移動し、首に手刀を叩き込み気絶させた
「ここから先はお子様は立ち入り禁止です。」
そういってやさしく皇子を地面に置くと、王に向き直った。
が、その間に皇子の執事が立ちはだかった。
「何のつもり?」
シンリアが冷酷な声色でたずねると執事が即答した。
「何のつもりもなにも、私めは王様の執事でもあります。お守りするのが当然の役目であります。」
「貴方は強いからあまり戦いたくなかったのだけれど・・・仕方ないわね・・・」
そういって腰につけていたバックから折りたたみ式の槍を取り出す。
執事は魔法師。
そして今の私には遠距離攻撃が無い。
つまり
「接近戦で終わらせる・・・!」
こうして親の仇を討つ戦いが始まった。
最後まで読んでくださりありがとうございます!
シンリアは王女さまでした!
一話からそういう設定があったのですが中々伏線と言うのも難しいですねぇ
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