表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
怪談集「暗中」  作者: にとろ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

9/22

垂れてくるものと解決していない話

 ある日、私がPCの前に座って作業をしていた時だ、プライベートな時間だったのでメッセンジャーも通話アプリも開きっぱなしにしていた。そんな時メッセンジャーに知らない相手から通知が飛んできた。


 何かの話があるのだろうかとソフトを開くと、画像の送信許可の画面が出ていた。時々こんな荒っぽい話の持ち込み方もあるが、それを拒否して興味深い話を逃すのも悪いので、受診してみた。


 それは大きなjpgファイルで、そこそこのデジカメで撮った写真をそのまま送ってきているようだ。開くと画面におさまらないような画像が出てきたので、それを縮小すると、おそらく家の天井か床が写っていた。


 ただ、おそらく天井だろう、木目からの推測は出来ないが、そこに血だまりのようなものが写っていて、それから血がカメラの方に向かって垂れているので天井だと判断した。


「この写真は何ですか?」


 私は送信してきた相手にテキストを送った。すると返答は『それに今悩まされてるんです』と返ってきた。


 何でも、相手の家に突然その血だまりのようなシミが出来てから、時折ポタポタと赤い物がたれてくるのだそうだ。


 話を聞いていくと、どうやら激安の物件があったので、瑕疵物件なのか訊ねてから、そうでは無いと言う言葉を聞いて契約した。その時に『原状回復の必要は無いですから』といわれたのが気になったのだが、その言葉の意味を理解したのは天井から赤い汁が垂れてくるようになってからだった。


 確かに瑕疵物件ではないのだろう、実際そのたれてくるもの以外実害は無い。したにバケツか洗面器でも置いておけば問題無い話だ。だから住み続けているのだそうだが、私が怪談を集めていると知って写真に撮って送ったそうだ。


 なお、普段使わないPCのメッセンジャーを使用したので画像と一緒にテキストを送ろうとしたら画像だけ先に送信してしまったのだという。


 そして不用心にこの物件の住所を送ってきたので、私は安易に住所を送らないでくださいねと伝えなければならなかった。


 それから写真を見たのだが、確かに血のように見える。ただ、私には引っかかることがあった。


「なんだか妙に鮮やかな赤ですね」


 普通人が怪我をして流す血は静脈から出るのでもっと赤黒いものになるはずだったが、そこに写る血のようなものは動脈を切りでもしなければ見えないような鮮やかな赤色をしていた。


「ええ、でも瑕疵物件ではないのは確かだと思うんですよ」


 私がその理由を尋ねてみると……


「ここ、二階建ての二階なんですよ……上に昇るには鍵が要りますし、近所のタワマンからは屋上が見えるんですよね。それなのに何の騒ぎにもなってないんです。だからこれが亡くなった人のものではないだろうと思うんですが、何か止める方法はご存じありませんか?」


 私は解決策を聞かれて少し悩んでから、それが本当に血なのかどうか考えて、ホームセンターに吸水材が売っていると思うので、それを買って下に置いてそれが吸ってくれたならこの世のものなんだと思いますよと答えた。


「ありがとうございます」


 そう送られてきて、回線はオフラインになったのだが、数日後に『すごいですね! 飛び散らないので全然気にならなくなりましたよ』と返ってきた。一応対処は出来たわけだし、それがこの世のものでない何かではないと分かったが、そうなると今度はそれは一体なんなのかという問題があるのだが、向こうが気にしていないようだし、それを尋ねて困らせることもないと思い、彼か彼女かの平穏な生活を願うばかりだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ