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怪談集「暗中」  作者: にとろ


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昔々のギルメンの話

 もう昔のこと、まだネトゲでのコミュニケーションがテキストのみで行われていた頃だ。私はギルドのような機能を使って少数で結成したチームでまったり過ごしていた。


 そんなある時、元々人数が少なかったのでステータスがオンラインになっているのは俺とその時ログインしていた人のみになった。


 一応女キャラを使っていたが、ご時世的に男女どちらだったかは分からない。時期的にはネットの男女比から考えて回線の向こうに居たのは男性だったのではないだろうか? まあとにかくそういうのが当たり前の時代だ。


 その人が突然、最近妙なことが起きていると話してきた。ネットで個人的な現実の話はしないモノだが、その時オンラインだったのは二人きりだったのでついその話に乗ってしまった。


 その人の話によると、当時としては高級な回線である光ファイバーを引いていたそうだ。その人は大抵いつもログインしていたので光回線を当時引いていたとしても驚かなかった。ただ、社会人は高い回線が使えるんだなあと思うくらいだ。


 どうやらネトゲをしていると、台所から音が聞こえるのだという。休憩のタイミングで離席を宣言して台所に行くと、水が蛇口から垂れていたり、電子レンジが中に何も無いのに動いていたりすると言う。


 私がまだ親の金で生活する年齢だったことは伝えていなかったので、原因は何か分かるかと訊かれてしまった。多分電気関係の暇な大学生とでも思われたのだろう。


 分からないですねとしか応えることは出来なかった。ただ、電子レンジに関しては買い替えたのだが同じ現象が起きたので君が悪いと言っていた。


 そんな時、彼か彼女かは離席をすると言ってキャラの動きが止まった。まさかまたおかしな事が起きたのかと心配をしていたが、すぐにチャットが再開した。


 なんでも、そういう話は深刻なことではないので深く気にしないでいいと言う。ギルマスに心配をかけるほどでもないので、大した問題でも無いことに気をつかわなくていいと流れてきた。


 その時は世間話くらいでその話を持ちだしたのだろうと思っていたのだが、それから少ししてキャラが動いた。それから今度は別の部屋に置いてあるテレビがついていたので消してきたという。だが、待たせて申し訳ないというので奇妙に思い、私はチャット欄のログを遡ってみてくれと伝えた。


 するとやはりその人は自分しかいない部屋で何ものかがPCでチャットをしていたという。人に口止めをするようにこんな事を流されるのは気味が悪いので引っ越すことを決めたと言った。


 今となってはそのゲームもサービスを終えているが、あの時、あの人が引っ越すと言ってしばらくオンラインにならなかった後、それ以降おかしな事が起きたとは一言も言わなかったので多分その部屋に何かあるのだと思った。


 ただ、リアルの話を持ち出すのはマナー違反なのでその人がおかしな現象に見舞われ続けていた可能性はあるのかもしれない。今となってはもう確かめようのないことだ。

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