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私立一之宮学園〈特科〉  作者: ヲトオ シゲル
閑話ちゃん。
83/83

祝☆一万PV到達、お礼のこばなしちゃん。






タイトル通り、一万PV到達を祝しまして。


もうちょっとで半年更新しないところでした。


その間もお寄り頂いた方々に感謝を込めて。

ありがとうございます!!



短い事が心苦しくもありますが、どうぞ。

お楽しみいただけますように。















「一万回ゲーム!!」


いつもの通りそれぞれ思い思いに過ごしていた教室で、急に立ち上がって宣言した史隆の声が響き渡る。


リュカの隣に座って算数ドリルをしていた夜が、楽しげな響きに顔を上げて、手にしていた鉛筆を放り投げた。


「なんのゲーム?!」


転がった鉛筆を取り上げて、リュカはそっと夜の手に戻す。


「夜? アレのことはほっといて、今はこっち」


今のページが済めば、その後は出掛けることになっていた。


一秒でも早くふたりきりになりたいリュカは、ぷくりと膨れた夜の頬をつついて空気を抜くと、ドリルとノートをぽんぽんと叩いた。



「説明しよう、一万回ゲームとは、一万回したことを次々と言っていくゲーム」


よく分かるようでいて、ちっとも説明になっていないゲームのルールを、意気揚々と史隆は発する。



斜め向かいに座って史隆を見上げていた都は、読んでいた分厚い本に再び目を落とす。


その様子を少し離れた場所で見ていた琴野も、そうだったと思い出して自分の手元を見下ろした。


最近コッティの服を自分で作ってみようと精を出している琴野も、史隆の相手をしている場合ではない。


「さあ!それじゃ、いってみよう!!」


周囲の反応はお構い無しに史隆は手を二回打ち鳴らすと、リズムに乗って都を指名した。


「……要するにヒマだって言いたいんだろ?」

「わぁ! それは一万回に近い気がするけど、そこまでヒマじゃない! てか数えられないから、残念!」


もう一度ぱんぱん手を叩いて、今度は夜を指名する。


「えっと!えっと……」


驚いてわたわたとしている夜を、可愛いなぁと体をくねらせる史隆に、リュカは手元にある消しゴムを投げつけた。


「あ!……歯磨き!」


生まれてから今までにしてきたことをざっくり計算して夜は答えた。


「おお! いいね! してそうだけど、面白くなーい。ざんねーん!」


眉毛を八の字にして残念そうにしょんぼりした夜の頭を、リュカがよしよしと撫でる。


史隆はまた手を叩いて、今度はリュカの名を呼んだ。


リュカは夜の髪の毛をくるくると指の先で弄んで、頬杖をついた。悩ましげにため息を吐き出す。


「夜が好きだよって言った回数?」

「ウザい! 上になんかメンドくさい! ざんねーん!!」

「ではなんと答えればそのゲームとやらに勝てるのだ、史隆よ」


バリトンの良い声が聞こえてきて、そのコッティに似合いそうな白地に水色の縦縞のドレス、その袖の部分を縫っていた琴野がうんうんと頷いている。


「ルールが曖昧で、しかもお前のさじ加減でジャッジされてりゃ、ゲームも何もないだろ」


都が眉間にシワを寄せて、溜息と一緒に吐き出すように言った。


史隆はにんまりと笑って、円卓を囲んでこっちを見ている全員を見回した。


「勝ち負けじゃないんだなぁ……いや、ていうか、やっぱり勝ち負けかな……で、勝ったのはこの俺! 勝者、史隆!!」


両腕を振り上げて、同時にいえーいと声も上げる。


ウイニングランですと実況中継しながら円卓の周りを走り出した。


「いや、だから」

「なんなのだ、史隆よ」

「ウザいのはお前の方だろ」


その場にいる全員と握手を交わす。握手を求めるたびに的確なツッコミを入れられて、なお満足そうににこにこ笑って、元いた椅子にどすんと腰を下ろした。



「史隆のかまってもらいたい回数、一万回」


ふふと笑いながら、夜は鉛筆をくるくると回す。


史隆の企みは握手をしたほんの瞬間に夜に伝わっていた。



「ざんねーん! 惜しい! 史隆のかまってもらった回数、一万回、でした!!」


ふふと同じように笑うと、史隆は満足そうに椅子の背もたれに寄りかかる。














調子が良いこと言うようですが。


新章までは、もうしばしお待ちいただけますように。


なにとぞ。







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