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剣の墓標、春の城  作者: 銀野
あらたなるたたかい
143/147

ある人間の独白


びっくりするほど身体が動かない。

しかし、苦痛かと言うと実はそうでは無い。


感覚器官も順番に「落ちて」行くためか、思った以上に衰弱死と言うものは楽なもんだなと言うのが今の実感だ。


……思い残すことは無い。


少ないけれど友達も出来たし、城の皆は家族のようだったし、何より可愛い娘も優しい息子も出来た。


娘なんか、渡している魔力の中に僕の魔力が少量でも混じったせいか、血が繋がっていないのに僕にちょっと顔立ちが似てくれると言う親孝行っぷりだ。


……僕は人間だ。

いずれにしても、僕の一生なんてあの子にとってはあっという間だ。


心配が無いわけじゃない。

でも幸い、ここにはケイメイがいる。

タマもいる。

二人とも、今の僕じゃ足元にも及ばない力の持ち主だ。

それが、とても心強い。


……ああ。

本当にもう、思い残す事がないんだよ。




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