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第二声:2年目、暮月、5日
二番目の言葉は「にーに」だった。
タマのことだ。
あいつは良くやっている。
もうすっかりチビの兄がわりだ。
ベタ甘なだけの変態と違い、危ない事は危ないと行動でしっかり指導している。
……犬にまで嫉妬しては、代行とはいえ魔王の名折れだ。
悔しくない。
俺は悔しくないぞ。
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【魔王付きメイド、カーミラの手記】
本日、普段は寡黙なタマさまが「おいわい、肉、いっぱい、ほしい」と告げていらっしゃいました。
「にーに」とお嬢様に呼ばれたのが余程嬉しかったようです。
ちょうど良い機会なのでお酒も用意し、氷の沼の主さまとべびーしったーとタマさまとの三人での酒宴の用意をすると、タマさまはたいそう喜んで
「礼、もふもふしていいぞ」
とおっしゃって下さいました。
酒宴が捌けてから思う存分もふもふしました。
とても気持ちがよかったです。
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