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剣の墓標、春の城  作者: 銀野
あらたなるたたかい
125/147

子沢山愉快犯:1年目、初月、4日

俺の氷の沼の城よりさらに北の方に住む愉快犯が、息子を連れてチビ(……と、俺か?)の見物にやって来た。

同伴していた息子は長男の、まだガキのくせに本性を現すと死ぬほどデカくなる、他人の手を食いちぎるのが得意な狼だ。



おんぶ紐でチビを背負った俺を指差して

「閣下ww何やってんすかww」

とひとしきり笑うと、奴は唐突に先日、チビを攫おうとした不審者の事を切り出してきた。

耳の早いことだ。

勿体ぶった言い方が面倒になって要件を問うと、奴は中型犬に化けている息子の真っ黒な頭をぽんぽんと叩いた。


ウチの息子を護衛にしないか、食事代はかかるが、言うことはよく聞くし戦闘力は申し分ない筈だ。


それが、奴の言い分だった。


……確かに、俺と変態だけでの護衛は限界がある。


俺はなんやかんやで魔王だし、化物じみて見えても変態は人間だからだ。

加えて、親に似ず、狼の息子は実に素直でおおらかで気が利くときている。

俺自身以前、愚弟を追い払うときに世話にもなった。


じゃあ、そうするか。

そう了承すると、愉快犯は「よっしゃー!飯代浮いた!!」とガッツポーズして帰って行った。


……別にそう思うのは仕方が無いとして、本人の前でそれを言ってやるなよと思った。



ブクマ、評価、感想等どうもありがとうございます。


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