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動物的勘:1年目、暮月、16日
変態が唐突に「嫌な予感がする」言って作りかけのカレーを投げ出して別室のチビのベッドルームに向かった。
慌てて追いかけ、扉の所で追いつくと、目に入ったのはチビを抱えた不審者だ。
まあそこからは、言うまでもない。
魔王の城に入り込むくらいなのだからそれなりの力の格と背後関係がある相手だろうに、変態は問答無用で不審者を凍らせて粉々に砕いてしまった。
チビに擦り傷一つ付けなかった変態的な器用さは流石だが、こうなっては目的も黒幕も判然とせず、今後の対応策も場当たり的なものにならざるを得ない。
取り敢えず、常にチビにくっついていられるよう、本で見たおんぶ紐の製作をメイドに頼んでおいた。
余談だが、火にかけっぱなしだったカレーは焦げていた。
悲しい。
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