122/147
ふりふり:1年目、霜月、20日
衣装係がこのところ連日やってくる。
用事は日に日に大きくなるチビの衣装を届けるためだ。
血なまぐさい見かけによらず、レースやらフリルやらが大好きらしく、嬉々としてメイドと一緒にチビに衣装をあてている。
親役の変態が「娘」と言っていることもあって、そのふりふり具合はもうとめどが無い。
……基本的に、魔王には性別の概念は無い。
便宜上、どちらかの容姿に固定してはいたが、それにしたってあんなふりふりを着るためではなくあくまで「便宜上」の措置だった。
なのに配下どものあの掌の返し方というか、切り替えの速さはどうなんだと思う。
ブクマ、評価、感想等どうもありがとうございます。
すごく励みになります。