お披露目:1年目、神月、2日
扉を開けた瞬間に
「誰?! っつーか何?!?!」
と叫んだ坊主(呼び名は変態の日記に準ずる)の顔が忘れられない。
幸い、すぐに変態に気が付いたようで扉を閉められることは無かったが、あれは明らかに俺を不審に思っていた。
……そんなに化けるの、下手じゃないはずなんだがなあ?
まあ、それはいい。
それよりも何よりも衝撃的だったのは、変態が俺とチビを交互に指差して
「これ、僕の父親。こっち、僕の娘」
と、言い放った事だ。
曰く、
「下手に詮索されるより先に自爆したほうが面倒が少ないじゃん」
らしい。
確かに、逆に妖しすぎる設定に尻込みしたのか詮索はされなかった。
しかし坊主も娘も、どう見ても得心がいっていない顔だった。
それでも俺を「おじいちゃん」と呼んでくるあたり、こいつらも魔王の配下と同じ種類、所謂「お人好し」だと思う。
人間同士でくっちゃべっている隙に、人間の赤ン坊を観察した。
人間の赤子特有のものか、うちのチビとは対照的に、強い光の魔力を持っているのが印象的だった。
自爆である自覚がある分タチが悪い。
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