新魔王による跋文
とりあえず、「ふんどしショール」はやめてくれて本当に良かった。
……なんつうかな、マメにこんなもん書いてたんだなあの変態。というのが正直な感想だ。
変態の記したものとはいえ、記録に罪はない。
尻切れ蜻蛉も可哀想なので、最後に俺が結ぼうと思う。
まずは、「何故魔王が死んでいたのか」だ。
今の今まで、それはただの仮説でしか無かったが、この日記を読んで確信した。
魔王は、あの人の子の「仇討ち」という望みを叶えるために死んでいたのだ。
自身が死んだら人の子の望みが叶うと思ったから死んだ。
この思い込みが肝だった。
この日記によると、あの変態も言葉に出来ないまでもそれを悟ったらしい。
無意識下、しかし理解して、奴は自分の今の願望を首に伝え、「望み」を上書きした。
…………我ながらまどろっこしい書き方になったな。
端的に書こう。
魔王は蘇った。
しかし「家族になりたい」の部分で何を思ったのかあのド天然、赤ん坊の姿で蘇りやがった。
……まああれだ。
変態に渡した魔力もそのままだったから、単純に身体を元通りに再構成出来なかった、等の理屈はつけられる。
しかし、記憶まで真っ白になってるってのはどういうこった。
お前はフェニックスか?!ベニクラゲかなんかなのか?!
取り乱した。
「この子育てるから魔王辞める。この子が育つまで、とりあえずお前代わりやっといて」
とあの変態に丸投げされたもんだから、俺も若干テンションおかしいな。
……断れなかった。
まあ仕方ないだろう。
あんなに嬉しそうで幸せそうな笑顔と、あんなに無垢で健やかな寝顔を見せられてしまっては。
というわけで、りたーんずにお付き合いいただきありがとうございました。
元ネタ説明回を挟んだ後、続いて「あらたなるたたかい」が始まります。
今後の参考に、評価ご協力いただければ幸いです。
感想はいただけたら小躍りします。