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(69)お風呂(ふろ)

 疲れることか多いとき、ひとっ風呂ぷろびれば、これはもう何とも言えぬいい心地ここちになるのは必然の理である。血行がよくなり、筋肉に蓄積した乳酸が分解されやすくなる・・というのが医学的な見方だが、決してそればかりではない。気分がくつろげるというメリットも多分にあるのだ。風呂ふろは風呂だけに風呂だけのことはある・・ということになる。^^

 疲れた身体を引きるように、とある一家のご主人が帰宅した。

「今、帰ったぞっ!! 風呂はいてるかぁ~~!」

「あらっ! 今日は早いわね…。いつも九時過ぎだから、まだ沸いてないわよっ!」

 玄関へ出てきた奥方が開口一番、ご主人をガッカリさせるようなひと言を投げた。

「そうか…。じゃあ、仕方ないな…。すぐに沸かせてくれっ! 夕飯にするっ!!」

 少しイラつきながら、ご主人は、『次のボーナスは絶対、自動湯沸かし器の工事だっ!』と決意した。自動湯沸かし器システムにすれば、浴槽にお湯を流し入れるだけで、いつでもすぐに入れるからである。そんなご主人の内心はつゆほども知らず、奥方は、『次のボーナスは絶対、あの店の着物をっ!』と決意していた。ご主人の疲れなど眼中になかったことになる。

 結局のところ、疲れる身体には奥方の接待よりお風呂が一番っ! という結論に至る。^^


                  完

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