(25)こう! と思ったら
こう! と思ったら、なにがなんでも、こう! 動くのが疲れない最良の道だそうだ。断わっておくが、私が言った訳ではない。買い物はしたが、果たして食べられるだろうか? と案じるくらいの話だ。^^ 世の中は、そうはさせずっ! とばかりに、こう! と思ったことを阻止しようとするが、その力を削いで貫徹する! これが醍醐味だろう。^^ むろん、悪いことは法律の許す範囲までだが、最近は何かと範囲が狭まり、生き辛くなったのは困りものだ。^^
時は西暦1600年、所は言わずと知れた関ヶ原。若者がどちらに味方しようか? と迷っている。松尾山に陣を構えた小早川その人である。
「殿、ようございますなっ!」
家老の一人が決断を促す。
「…」
口を閉ざしたまま馬上の人となり、腰の刀を抜く小早川。
「皆の者、よう聞けっ!! 我が敵は大谷吉継
なりっ!!」
その叫びに軍勢は大きな雄叫びを上げる。その後がどうなったかは皆さんもよくご存じだろう。^^ それまで迷いに迷っていたとしても、こう! と思ったら怒涛の勢いで彼は松尾山を駆け下り、大谷勢めがけて突き進んだのである。
「と、殿っ! 小早川が攻めて参りますっ!!」
「なにぃ~!! おのれ~~っ、小早川っ!!」
そして四半時、結果は明々白々(めいめいはくはく)だった。
「もはや、これまでっ! そなた、介錯せいっ!」
「殿、なりませぬっ!」
「憎きは小早川。この恨み、晴らさでおくべきかぁ~~!!」
と言われたか言われてないか私は知らないが、まあ、そんなところだろう。^^ こう! と思った結果は、実に怖い。反逆者、小早川は数年後、お気の毒なことに病で身罷るのである。
まあ、そんな訳で、でもないが、こう! と思った人の意志は邪魔しない方が疲れないからいい…という結論に至る。加えて、憑かれない。^^
完




