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無税の村での金儲け伝説

キートンは寒村に兵3千を送り込むと、ドラゴン村と交易を始めだした。

西方との戦争は、エルザス軍のネトゲ廃人の部隊が、西方都を包囲して、激しく攻撃を繰り広げているが、西方の新型ゴーレムの前に、苦戦している。

時間ばかりが無為に過ぎる今日この頃キートンは寒村の税率を無税にした。

人口三千人の寒村など、無税でも何とか経営出来るだろう。

俺の人望なら、寄付金も大量に期待できるし、何とか経営できそうだしな。

「この寒村は、観光都市として村営カジノを建設する」

無税の村で、手っ取り早く収入を得るにはもうこれしかない。

出来るだけ、配当金は甘く設定しておこうと心に誓うキートンであった。

リサが怖がって村を取り返しに来るまで無税の村で一儲けさせてもらう。

この寒村の無税が宣告された次の日に、住民希望者が退去してやってきた。

異種族のゴブリンがいる村より、寒村の方が住み易いと思ったらしい。

人口はいきなり、1万5千人に激増して、カジノが大繁盛した。

適当に貧乏人には、勝たせて金持ちからは適度に搾取するやり方である。

この御蔭で、7月1日の寒村での収入は7万ディルスに跳ね上がった。

「無税の国で、どうやったらこんなにぼろ儲けが出来るんだよ?」

「村民の所得が3倍に跳ね上がったらしいぜ」

偽画聖のディックの絵も寒村で販売していたがこちらは程々に売れていた。

一応彼の立場は、ファーリの弟子である。

村民が、セコイ資産運用の為、彼の絵を買っていくのだ。

偽画聖は世間の信用を失って、絵を売ると二束三文でしか売れない。

でも偽画聖の信用が回復すれば、ボロ儲け間違い無しなのだ。

絵が売れれば、信用回復にもつながるから、一石二鳥である。

偽画聖の絵の収入は、借金返済に充てられた。

「ファーリ様。キートン伯爵から離れて寂しいでしょう」

ディックは妙な気をまわした。

「ご主人様の命令なら仕方がない」

寒村に派遣されたファーリは、この寒村を、ドラゴン村とイナゴ村の交易の中継基地にする事を考えている。

「美味しい。ご飯が美味しい」

キートンの監視がなくなったせいか、大金大食漢ぶりが復活して来ている。

「ファーリ様。この村の食糧の値段が3割もアップしましたぞ」

部下はファーリに愚痴るが、結果的に村の農村の生活を向上させているのだから、文句を言われる筋合いはない。

「ファーリ様。無税の国で評判を落すと、民衆を懐柔する手段が無くなりますから、多少自重してください」

部下がキートンの為に大食いを止めるように、ファーリに頼んだ。

キートン派の部下は、ファーリの大食いを止めさせようとする。

「贅沢を止めないと、赤字ドラゴンなどと呼ばれる様になります」

そんな事言ったって、この寒村は無税だ。

自分の元手で稼いだ金で飯を食ったら、批判されるのか?

「理不尽だ」

そう思ったが、儲けをキートンに渡す事には同意している。

元々ご主人様に可愛がって貰えれば金などどうでも良いファーリであった。

「分かった。大食は我慢する事にする」

ファーリは仕方なく大食を止める事にした。

大食は、キートン様が天下を取った時の楽しみに取っておこう。

「儲けたお金は、中小企業向けの融資にあてると良いよ」

カジノで儲けた泡銭は、堅実な投資でチマチマと儲ける。

一ヶ月も寝かせれば、利子も含めて8万ディルスにはなる筈だ。

投資は短期で資産を回収する予定である。

村の経営だって、遊んでいる訳にはいかない。

無税だから、福祉に金はかけられないが、民間企業として、医者を招かないといけないし、物入りなのだ。

どこの国でも、医療は兎に角金がかかる。

エルザス帝国は医療問題に関しては、優遇されている方だ。

ギャンもエルザス帝国の手厚い医療の御蔭で、再就職がかなった。

最近のリサは、キートンにとっては、猜疑心の塊にしか写らないが、西方以外の民衆にとっては、まれに見る名君である。

だからエルザス帝国の民衆は、キートンと仲直りして、不毛ではた迷惑な抗争に終止符をうってくれないかと、熱望しているのだ。

「私は別にいいけど、リサ姫の方が頑固なんだよね」

ファーリはエルザスの皇帝が誰であろうと、構わないと思っている。

まあキートンがエルザス皇帝になるなら大歓迎だがキートンに反逆の意思はないみたいだし、反乱をそそのかすと、私が斬られるかも知れないし。

「あいつは嫌いだが、だからと言って反乱など起こす気はない」

西方以外では、リサの人気は決して悪くない。

反乱など起こして、帝位を簒奪しても、民は俺に従わないぞ。

本気で反乱を起こすなら、西方を支配するところから始めるべきだ。

「ご主人様こそが、エルザス帝国の新皇帝の器だと思うんだけどな・・・」

身内びいきのファーリは思う。

この僅かな期間に、人口を5倍にした、キートンの人徳は見事である。

ファーリの統率能力では、ここまで人は集まらない。

「ファーリ様。これは心ばかりの賄賂です。寒村の運営費用の足しに使ってください。財政難で再び税金をかけられたら困りますからな」

民衆からかき集めた寄付金1万ディルスが、ファーリに手渡された。

困ったな。

こいつらの就職の面倒見る余裕は私にはないぞ。

「ご安心を。地位や就職先は、自分で探します」

「この好景気の村なら、仕事が山のようにありますからねぇ」

カジノ景気のおこぼれに預かれる、仕事が山のように村には存在する。

結構人手不足なのだぞ。

「有難く受け取っとくわ。流石は寒村。景気が良い」

エルザス帝国に税金を納めても、たっぷりと金は残った。

「出来るだけカジノの入場料は安くするのだぞ。どうせこんなの他の村も直に真似するだろうから、その前に稼がせてもらう」

キートンの指令により、入場料は下げられる事になった。

どうせ中小企業への投資から、村の運営費を捻出する予定なのだ。

寄付金も多少は期待出来るので、何とか運営は出来るであろう。

「ファーリ様。この村の郊外に競馬場を建設してもよろしいでしょうか?」

「闘鶏場の建設を許可してください」

雇用が一気に数百人は生まれそうな建物が建設される事になった。

競馬場は、突貫工事で、7月21日に、それらしきものが完成した。

これで競馬でぼろ儲けが出来る。

「慣習なので、月2万ディルスのお礼金を納めさせていただきます」

この村無税だが、自発的に税を払う貴重な人材は重宝するべきだ。

まあ税金は廃止したから、ただの賄賂であるが、早速融資につぎ込む。

「ファーリ様。記念に馬券を1枚買ってください」

このファーリの馬券が大当たりすれば客が増える。

単純なファーリにばれないように、上手く勝たせてやろう。

上手くいけば、ファーリもギャンブルの魅力に取り付かれるかもしれない。

「良いけど。私前にギャンブルで大損した事があるからね」

私をギャンブルで勝たせて、客を増やそうなどと考えても無駄だぞ。

競馬場のオーナーの考える事などお見通しだ。

たかだか40歳の若造が、120歳越えの私を甘く見るなよ・・・。

人間の考える事など全てお見通しだ。

「でしたら是非馬券を買ってください。一度だけ大儲けさせて差し上げる」

いかさま博打の片棒を担げとは、キートン様ならどう思うだろうな?

「1度だけだぞ」

ファーリは邪悪な目で競馬場のオーナーを見つめた。

この悪徳商人をどうやって懲らしめようか。

私が得をする形で懲らしめないといけないが、どうやって?

7月22日に、ファーリの買った馬券は、ファーリが馬語で何かつぶやくと大敗北した。

ファーリは300ディルスも損をしてしまう。

「この落とし前をどうやってつける心算なの?商人殿・・・」

まさかファーリが馬語を知っているとは思わなかった。

わざと負けて、競馬場のオーナーに、いちゃもんつける作戦だったのか?

「これは手違いです。ファーリ様に損をさせる気は微塵も無く・・・」

いかさまを提案した手前、ファーリの不正を糾弾出来ない。

密書のやり取りをしていたから、公表されれば商人だけが罪に問われる。

このドラゴンを敵に回すんじゃなかった。

敵に回す気は無かったのだが、どうやらファーリを怒らせたらしい。

「お詫びに金貨1万枚寄付させていただきます」

結局金で大目に見てもらう事にした。

この競馬好きの村民相手なら、1万ディルス損失など直に埋められる。

「二度と不正など私に要求するな」

ファーリは1万ディルスを融資に当てると、本国からの物資の補給をうけ、必要物資を寒村で売りさばく事にした。

物価が高めだが、好景気に沸く寒村では良く売れる。

「美味しい。最近ではこんな料理は食った事がない」

キートンが送り届けた肉に、ファーリが味付けした干し肉だ。

これが今、寒村でブームである。

料理人の腕が、たいしたこと無くても、極上の料理になる筈である。

「すげえ。ファーリ様の料理って本当に美味いんだな」

「これなら銀貨8枚は出しても良い」

客にも好評なファーリの料理であるが、小銭で支払われても困る。

両替が大変ではないか・・・。

「客の腹より、私の腹具合を心配してほしい」

最近、小食に戻したので、お腹がすいてしょうがない。

肉が食べたい。

でも食糧の備蓄を減らす訳にもいかないし。

偽画聖までファーリの料理を食べているの見ると、理不尽な怒りに燃えた。

「このお金で肉料理を買ってきて」

耐えられなくなったファーリは1ディルスで豚の丸焼きを一頭買ってきた。

空腹で料理するのも面倒らしく、珍しく部下の料理人に料理させていた。

ファーリ様は相当空腹に悩んでいるらしい。

部下は寄付を募り、ファーリに肉料理を寄付してみた。

ゴマすりは、主人の弱みに漬け込んで行うのが、一番効果的だ。

ファーリが空腹ではいざという時不安だし、ゴマすりは俺達の出世にもつながるかも知れないので、怠ってはいけない。

案の定、ファーリは大喜びだった。

肉料理を食べ終わると、主要部下にハグして回る。

「・・・」

あのファーリ様のハグがうけられるとは、貢いで良かった。

心の底から満足げな家臣達であった。




養う人口少なければ、国営カジノと観光で領主は務まります。

多分。

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