表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化】冷徹宰相に溺愛された錬金術師はのんびりと暮らしたい~婚約破棄された令嬢でしたがグルメ生活で幸せです~  作者: りょうと かえ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

49/56

49.完成

 迎賓館のキッチンでは料理作りが佳境を迎えていた。


「お米が炊けました、フィリア様」

「わかったわ、桶に移してもらえるかしら」


 米もきちんと炊けている。ほくほくの白米が桶に移されると、フィリアはゆっくりと木べらで米をかき混ぜ――調合酢をふりかけた。


「これでよし、と……!」


 さらに白米と調合酢を混ぜていく。この工程も何度もやってきた。フィリアの身体にはすでに混ぜる動きが染み付いている。


「私は配膳の用意をいたします」

「お願いね。それが終わる頃には、準備もほぼ終わっているわ」


 シェナが小皿をトレーの上に並べていく。小皿はどれも純白の陶器、高級品だ。とはいえフィリアの感性では食器の判別は苦手であり、ジウスの用意したものをそのまま使っているだけであったが。


 マグロもサーモンも赤身と脂身を切り揃え、準備は万端である。イカもツブ貝も昆布出汁を少し吸わせ、味を整えた。


「あとは……スープね」


 鍋には粗熱を取った昆布出汁が出来上がっていた。

 フィリアはスプーンで混ぜながら、使わなかったマグロとサーモンの切り身を投下する。


「ちょっとだけにんにく、たまねぎ、白ワイン、醤油を……」


 もう一度加熱しながら、味をみていく。もちろん切り身もだ。優しい、すっきりとした味わいのスープである。


「普通なら淡白すぎるとも思いますが、この寿司にはちょうど合いますね」

「デミグラスソースみたいに濃厚じゃないし、そこはバランスね。濃いスープだと風味が飛んでしまうわ」

「お嬢様は徹底されておりますね。お酒も調合したものを用意するとは思いませんでしたが……」


 残ったひとつの箱には調合済みの酒のボトルが入っている。レモンとライムをわずかに効かせ、さらに微量のスパイスと数種類の酒を混ぜた白ワインだ。本来であれば邪道だが、寿司そのものに合う酒が他にないのでやむを得ない。


 シェナが何かに気づいたようにはっとする。


「……お嬢様、まさか日頃お酒を混ぜて飲まれているのですか?」

「そ、そんなことはしていないわ」


 実はしていた。フィリアは味が気に入らないと、なんでもほいほいと自分で調整する。

 もちろん酒でさえ例外ではない。ちょっとスパイスやハーブなんかを足して、酒をまぜまぜしてみたら……という誘惑に錬金術師であるフィリアは逆らえないのだ。


「じぃ……」

「そんなことより、こちらももう終わりよ。運ぶ準備をしましょう!」


 フィリアがさっと話題を切り替える。目の前には魚介類が切り揃えられ、桶には酢飯が入っている。


「さぁ、これで王子の元へ持っていきましょう……!」

最後までお読みいただき、ありがとうございます。


おもしろい、続きが読みたいと思って下さった方は、

ぜひともブックマークや↓の⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎評価をよろしくお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ