第十四話 閉幕
「ケハハ……追い詰めたぜ」
今俺は、建物の壁を背にして、兄と対面している。
絶対絶命の大ピンチだ。
「観念しろぉああああ!!」
兄がこっちに手を伸ばしてきたその時だった。
「よう」
端的な言葉を放つ光が、俺と兄の間に差した。
「アイリス……」
「悪い、遅れたね。お前は死ね」
そう言い終えた頃には、もう兄の横腹に蹴りが深く突き刺さっていた。
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一方三号は、王と相対していた。
「誰だお前は」
『お掃除ロボットの三号です』
王以外の乗車人員が倒れている馬車の中で、二人の会話が響く。
「あまりふざけたことを言うな。スキル発動《王の威厳》」
王の目が赤く染まり、輝き出す。
王のスキルは、自身に臆したものの精神を支配下におくことができる力だ。
しかし。
「ん? 今何したんですか?」
「ば、バカな…効いてない……? 俺が怖くないのか?」
「逆に訊きますけど掃除機に恐怖心なんてあると思いますか?」
「う、嘘だ……うわあああああああ!!」
王は、背を向けて逃げ出した。
それが運の尽きだった。
馬車から飛び降りようとしたその瞬間、彼の腰から、グキッ! と大きな音が鳴る。
そのままバランスを崩して落下。頭を強打。
後を追い馬車を降りた三号が脈をはかり、
「あー…これ死んでますね」
と言い放ったのだった。
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あの戦いから数日経った。
俺は今、ライキルト王城の玉座にいる。
王の訃報は国中に伝わり、次の王を決める動きがあった。
兄はアイリスに蹴っ飛ばされたらどっか行ったので、俺が王に選ばれた。というより国民きっての要望である。
「やったねご主人」
『これからは王様ですよ、悪政しないでくださいね』
「俺を誰だと思ってんだ」
俺たち三人の幸せな生活は続いていくのだった。おしまい。




