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例の最終試験です!

 今日まで何度もみんな(ガーラ抜き)と打ち合わせをしてきた。予期せぬ事態が起きた場合のことも考えた。


もう後には引けない。私はテストとは別の緊張感を持って試験に挑む。


「今日までよく頑張ったな。これが最後の試験だ、頑張れよ」


最後の試験の内容は魔法実技試験だ。

それぞれ指定された魔法を使って的に命中させる。

魔法の強度と正確性を見るのだ。

強度は強すぎても弱すぎてもだめ。

しっかりと魔法を扱えるかが重要だ。


 学園内に大きな鐘の音が響く。

最後の試験が始まった。


「次、アウダー」

「はい」

「この中から一枚紙を取れ」


ガーラは箱の中から紙を一枚取った。

そして定位置に立つと、炎魔法を放った。


「ガーラって、魔法の才能はそこそこあるよね。勉強もリリーちゃんが教えればそこそこできたし」

「ガーラはやればできるのにやらない子だからね。魔法は使ってて楽しいみたいだから上手なんだと思う。それでリリー、リリー的にはガーラは赤点取らなさそう?」

「大丈夫だと思いますよ。ガーラさん、基本問題と標準問題に関しては完璧でしたから。それに、応用問題も時間はかかりましたが、ガーラさんだけで解けましたから」

「なら大丈夫かな」


もし今まで受けたテストの中に赤点があれば、問答無用でテスト直後の補習に連行されてしまう。だけど、リリーが大丈夫というのなら安心だ。


「次レンの番だけど見なくていいの?」

「ちゃんと見てるよ」


レンちゃんから放たれる風魔法はかなり強力で、私達がいるところまで伝わってくるが、私達を横切る風はとても優しいものだ。


「レンさんの風魔法もなかなかね。──そういえば、マードリアとチコの入学時の成績は、どちらの方が良かったの?」

「マードリアです。魔法実技で抜かされちゃいました」

「そうなると、レンさんもリリーさん同様、Sクラスの中でもかなり優秀な方なのでしょうね」


そういえば考えたことなかったけど、レンちゃんって手先器用だし、順応力高いし、理解力もリリーとチコによれば人一倍あるみたいだからかなり優秀なのかも。モブにはもったいないな〜。


そんなことを考えていると、レンちゃんが戻ってきた。


「レンちゃんおかえり。どう、試験を終えて」

「緊張していましたが、終わったと同時に肩の荷がおりた気がして安心しています」

「そっか、それはよかった。それでレンちゃん、一つ聞きたいことがあるんだけど」

「はい、なんでしょうか?」

「レンちゃんって入学時の成績ってどれくらいだった?」

「えっと、点数は覚えていませんが、順位は三位だった気がします」


三位……。私より上! そういえばいた気がする。二人と同じクラスってことで安心したからちゃんと見ていなかった。


「ごめんねレンちゃん」

「え、何がですか⁉︎」

「深くは聞かないで」


レンちゃんを撫でていると、私の名前が呼ばれた。


「それじゃあ行ってくるね」

「はい、頑張ってください」

「うん」


先生の前に行くと、箱から紙を取るよう言われる。

中から一枚紙を選ぶと、石と書いてある。


「固形物とは運が悪いなフレーバ。ま、フレーバなら大丈夫だろう、頑張れよ」


先生からの謎の期待を背に、私は的に向かって手を広げる。


ラミス、よろしく。


『我に眠りし精霊よ、今その力を放ち、かの的に石弾を打ちつけよ』


鋭い石が現れ、詠唱が終わると共に的の中央目掛けて真っ直ぐ飛んでいく。

的の中央に当たった石は砕け、的も石が当たったところを中心にヒビが広がった。


「終わってよし。次、ブライト」


先生はヒビの入った的を特に直したり変えることなくチコを呼んだ。


チコが放った水魔法で的は完全に崩れた。

先生はどこか満足そうだ。


そして、遂にリリーの番が巡ってきた。

次話 本日中


今日中に終わる……か?

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