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娼館の売れっ子さんは最強さん  作者: 綾崎 オトイ
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6

広めのソファにお父さんと横に並んでお茶を飲む。

この前よりさらに美味しくなっていた。新人の侍女や執事よりも美味しいものを淹れられるんじゃないかと思うくらい。


「ねぇ、お父さん。楽しいことがあるってほんと?」

王都で常に数時間待ちの人気のクッキーを齧りながら尋ねてみる。

「ああ。そろそろ暇しているんじゃないかと思ってな。そろそろ俺もシオンに会いたかったからな。最近は他のやつばかりに独占されていて面白くない」

「何して遊ぶ?」

国王付き侍女とか?でも下働きのが動きやすそうでいいな。

戦争や小競り合いの話はあまり聞かないからそっちでもなさそうだし。

拗ねたような口調のお父さんに首をかしげてみれば、満面の笑みが返ってきた。


「騎士見習い」

「騎士見習い?」


「どうだ?騎士見習いとして暫くここに居ないか?」

ニコニコと嬉しそうに言われる。

お父さんが私を留めて置きたいだけじゃない?


でも……うん。楽しそうかもしれない。


「戦争でもするの?」

違うんだろうけど。一応聞いてみる。

私がいれば最強だからね。私は強くないけど。


「はっはっ。それも面白いかもしれんが。そんな予定はないな。騎士団がつまらなそうだからテキトーに遊んでやってくれ」

お父さんが浮かべるのは悪戯っ子のような笑み。

国王陛下って暇じゃないはずなんだけど。


「騎士団って王子様の直轄なんだっけ?」

聞いたことがある情報を確認してみる。

この国の王子様。王太子殿下は自ら剣をとって、騎士団の上司にあたる。

「ああ。俺の息子が一応管理してるな。あいつもたまには刺激が欲しいだろう」

なんだかんだいって王子様のこと好きだよね。お父さん。

あんまり2人は仲良くないみたいだけど。

「いいよ。最近私のお客さんも少ないし、明日から暫くここにいることにする」

「ここにいればいつでも会えるな。明日が待ち遠しい」


いつでも会えるってわけじゃないけどね?

騎士団の見習いと国王陛下なんて、お互い立場も違うし仕事もあるんだから。

でもお父さんは早く仕事終らせて偶然装ってでも会いに来る。

予想じゃなくて確信できる。

国王陛下なだけあって行動力も判断力もすごいからね。

私の前では少し間違った方向に使われてるだけで。


でも確かに、王宮ってそんなにうろついたことないし。

「楽しみかも」

嬉しそうなお父さんの笑顔を見ながら私も口角をあげた。


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