12、コーヒーについて
12、コーヒーについて
2025.5
私は無職になったらやってみたいことがあった。それはコーヒー豆を挽くことだ。
正確には無職になる前から、2016年ころからやってみたかったのだけれど、今はいいか、と先延ばしているうちに9年経ってしまった。無職になってからもそのうちやろうと思うだけだった。
ある日デイトレードで大きく負けてしまった。
はあ、とため息しか出なかった。こんなに神経をすり減らして、その上お金も損するって馬鹿じゃないのだろうか。この負けたお金で……もっとなにか買えたのに。
と、こういう訳でコーヒーミルなどを買いに行くことにした。
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大きな失敗をした直後というのは、半分やけくそ状態になっているためか、腰が重くて先延ばしにしていたものや新しい挑戦に取り掛かるいい機会だと思う。よくも悪くも勢いがあるというか。
私はやけくそ状態ではあるものの、だからこそ安全運転を心がけて、家具屋に出かけることにした。(辛いことがあった時こそ、注意深く運転しましょう)
コーヒーミルは2種類売っていた。木製のビンテージ感のあるデザインのものと、そうでない(おそらく)プラスチック製のもの。私は古めかしいものの方が好きなのだけれど、そちらは少し洗いにくそうだなと思い、後者を買うことにした。
買い物に出かける前に一応調べておいた。コーヒーミルだけでは駄目で、ドリッパーというのとペーパーフィルターも必要らしい(これで最小限)のでそれも買っていく。
最後に肝心のコーヒー豆を探す。
よく行くスーパーにはコーヒー豆が売っていなかったので何店舗か見てまわった。コーヒー豆の値段を見て、やはりインスタントコーヒーよりは割高になるよなと思った。けれど美味しければいいんです。
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アパートに戻り、さっそくゴリゴリと豆を挽く、出荷時の状態だと粗すぎる気がしたのでもっと細かくなるようにした。
マグカップの上にドリッパーとペーパーフィルターをセットし、挽いた豆を入れてお湯を注ぐ。最初は少し蒸らすらしい。(ネット上の有識者の方に感謝します)そのあと普通にお湯を入れていく。待つ時間がじれったく感じられる。
コーヒーの雫を見つめる。
――これは……なんか色が薄い?――
こういうものなのだろうか。
なんかイメージと違う。紅茶に思えるくらい色が薄い。豆の量が少なかったのだろうか。コーヒーメジャー(コーヒー豆を測るスプーンみたいなもの)を持っていなかった(もちろん私は計量器も持っていない)から、かなり適当に入れていた。コーヒーメジャーは買った方がいいなと思った。
それはそれとしてドキドキしながら、コーヒーの香りをかいでみる。
――これは……わ、わからない……――
まあ、これは豆の量が少なかったからかもしれない。味はどうだろうか。
――……、……違いが判らない――
でもフィルターを通しているから、綺麗な(?)感じがするような……。
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後日、通販で買ったコーヒーメジャーが届いた。
私はお湯を沸かしながら、メジャーを使って10g測った豆をコーヒーミルに入れて挽いた。
色は……OKだ。黒い。
匂いは……、……駄目だ、わからない。
味は……、……駄目だ、わからねえ。
まあ、そんな気はしていたんですが。私は違いの判らないところがあるので。
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コーヒー豆の状態だと香りははっきり判るのに、コーヒーになるとまるでわからなくなる。味も綺麗な(?)感じはするのだけれど、飲食店で出されるようなものではないような気がする。まあ、素人のやることというのもあるとは思うけれど。
豆を変えてみたけれど、やはり、なにかハッと感動するような衝撃は受けなかった。これは私の感受性の問題かもしれないし、豆の挽き方とかお湯の注ぎ方が悪かったりするのかもしれない。
それはそれとしてゴリゴリするのは楽しいのと、今は無職で時間もあるので豆を挽くのは続けています。
(完)
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(おまけ)
「コーヒーの飲みすぎに注意しよう」
私は仕事休憩のとき、よくコーヒーを飲む人間です。
特別好きという訳でもないのですが、寝ぼけて仕事をミスするくらいならと、眠気覚ましに飲んでいました。ひどい時は(事情があって眠い時)休憩時間ごとに缶コーヒーを買って飲んでいました。カフェイン中毒にはなっていないと思うのですが、皆さんは飲みすぎに気を付けてください。ちなみに虫歯になるのが怖いので基本的にはブラックコーヒーにしています。
今は無職なので、そういうのないのですが。
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2014.5
恐山へ車中泊旅行に行ったことがありました。
車中泊で旅行をすると決めたら、1度近場でやってみるべきだと思います。
真っ暗じゃないと眠れないとか、フラットじゃないと眠れないとかやってみて初めて気づくこともあるからです。
そしてそれをやらなかったのが私です。
毛布さえあれば何とかなると思ったのですが、無理でした。甘すぎました。疲れて事故を起こしたら、最悪他人の命を奪ってしまう可能性もあったのに。
やはりなかなか寝付けませんでした。外が丸見えの状態で寝るのは落ち着かないし、運転席を倒したくらいでは(フラットにならない車でした)なんというか、脳が寝る体勢だと認識してくれないようでした。
今車中泊をするなら、車の窓の目隠し、アイマスク、耳栓、フラットにできるなにか、は最低限準備したいところです。繰り返しになりますが睡眠時間が確保できないと、事故を起こして他人にも迷惑をかけてしまうかもしれないので、皆さんは注意してください。
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恐山には辿り着くことができたのですが、目的だったイタコの方に会うことはできませんでした。
3泊4日の旅程で、すべて車中泊で済ませる予定だったのですが、疲れが取れずこれは本当に危ないと思い、3日目は目についた国道沿いのラブホテルに急遽泊まることにしました(本当にただ泊まっただけです)。久しぶりに平らなところで横になったのですが、下手すると車中泊していた時以上に眠れませんでした。
ホテルの雰囲気もあったかもしれないのですが、今になって振り返ってみると単純な話でコーヒーを飲みすぎていたのだと思います。
疲れが取れないので余計に事故を起こさないよう覚醒させないと、と思って道の駅が見えるたび休憩に寄りコーヒーを飲む、という行動を繰り返していました。
慣れないところで眠るときは、変な話かもしれませんが、ある程度体を眠い状態にしておくというのも大切かもしれません。(もちろん事故は起こさないように注意はしないといけないのですが)
というか、必要以上にカフェインを摂りすぎないよう注意すればいいというだけですね。皆さんは注意してください。とにかく安全運転でお願いします。
(完)
私の持っているコーヒーの道具は最小限で、他にもいろいろあるので興味のある方は調べてみてください。 読んでくださってありがとうございました。