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俺×恋=0になります。  作者: 光黒猫
第一章 俺×春=新しい出会いが待っています。〜新生活編〜
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4話 俺×優等生=アレルギー反応が出ます。

さてと、自分のクラスメイトを整理しよう。


男女比はだいたい半々。

それにしても——女子は全体的に顔面のレベルが高い。

その中でも、群を抜いているのが一人。


このクラスの特待生組の一人、白ヶ崎(しろがさき) 咲音さきね


綺麗な銀髪のロングヘアに、透き通るような白い肌。

そして何より、思わず目を奪われるような、鋭く整った瞳。


(あれは……強い)


見た目だけで言えば、クラスどころか学年トップでもおかしくない。試験なんて余裕だったんだろうな、と素直に思う。


(てか、顔で合格してても納得できるレベルだろ……)


この高校には、少し変わった制度がある。


“特待生組”。


試験段階で成績優秀、かつ人間性も優れていると判断された生徒が、一般クラスに配置される。周囲との競争を促すための、いわば“刺激役”だ。

一応、田舎ながらも有名な進学校ということもあって、その基準はかなり高い。


クラスにいるのは男女一人ずつ、計二名。

誰が特待生なのかは公式には発表されていないが——


(……わかる)


ああいうのは、雰囲気でなんとなく察せる。

ちなみに俺も、黙っていれば特待生と勘違いされるくらいのオーラは出せる自信がある。


……まあ。


入学初日のアレで、全部粉々に砕け散ったわけだが。


(終わってるな、俺)


話を戻そう。


女子は可愛い子が多い。

対して男子は——


(クセ強そうなの多くない?)


いや、俺が言えた立場じゃないけど。

中でも一番目立っているのは、言うまでもなくあいつ。


神宮丸 清樹。


すでにクラスに馴染んでいる様子だが、初日であそこまでいけるのは正直すごい。


(ああいうやつが社会でうまくやるんだろうな……)


とは思う。


思うが。


(俺はなりたくないけどな。坊主だし)


「なぁ、今、俺のこと考えてなかったか?」


「はぁ?誰がお前のこと考えるんだよ」


(勘いいなこいつ……)


警戒レベルを一段上げる。

それでも、神宮丸はとりあえず置いておくとして——


次に警戒すべきは、もう一人の特待生。

男子枠、石井いしい 大空おおぞら。見た目からして“なんでもできそう”なタイプ。


(ああいうやつは絶対裏がある)


その弱点さえ見つければ、上を取られることはない。


むしろ——


(ああいうのが一番厄介なんだよな)


そんなことを考えていた、そのとき。


「楽々浦くん?」


「は、ふぁいっ!!」


盛大に噛んだ。

完全に不意打ちだった。


「あら、ごめんなさい。驚かせちゃったかしら」


「い、いえ……俺がぼーっとしてただけなんで……って、えぇぇぇぇ!?」


二度目の驚き。

今度は不意打ちとか関係ない。純粋に予想外すぎた。


「本当に大丈夫なの?」


「あ、あぁっ……あっ……」


(落ち着け俺)


別に変な意味じゃない。ただ、顎が外れそうなだけだ。


それにしても——


なんで


白ヶ崎さんが、俺に話しかけてる?ありえない。

どう考えても、関わるタイプじゃないだろ。

清楚で、可愛くて、絶対クラス人気トップ。


そんな人が、なんで俺に——


(……まさか)


一目惚れ。


いやいやいやいや、やめろ。


それは一番ダメなやつだ。

恋の勘違いは、地獄の入り口。一度ハマったら抜け出せない、蟻地獄。女子はそうやって、男子を地獄に引きずり込んで——


(※あくまで個人の見解です)


「あの、さっきから気持ち悪いんだけど。私で変な妄想しないでくれる?」


「えっ……?」


今、罵倒された?いや、されたよな?確実に。


「なんで私があなたと話さなきゃいけないのよ」


「……えっと、話が見えないんだけど」


状況が急すぎる。さっきまでの柔らかい雰囲気はどこにいった?

というか——


(目、冷たすぎない?)


「罰ゲームよ」


「……え?」


「罰ゲームで、あなたと話さなきゃいけなくなったの」


「罰ゲーム……?」


その瞬間。

クスクス、と笑い声が広がる。クラスの女子の大半が、こちらを見て笑っていた。


さっきとは違う。

明確に、“嫌な笑い”だった。


「だから、こんな恥ずかしいことわざわざやってるの。理解しなさい、変態」


(変態扱い固定かよ)


まあ——


(予想通りか)


こんな展開、どこかで想像していた。

うまい話なんて、俺に限っては存在しない。


「なに黙ってるの?一人で考え事?本当に気持ち悪い……」


「あはは……ごめんね。俺のせいで、白ヶ崎さんに嫌な思いさせちゃって」


とりあえず笑って謝る。

これが正解だ。怒ったら終わる。


「なんで私の名前知ってるのよ。気持ち悪い」


「あはは……ごめん」


(自己紹介しただろさっき!!)


心の中で全力ツッコミ。

でも出さない。出したら負けだ。


「さっきから笑って謝ることしかできないの?チンパンジーなの?それともゴミ?」


「あはは、ごめん……」


(耐えろ俺)


てか、なんでこんなに絡まれてるんだ?罰ゲームなら、もう終わってるだろ。

むしろここまで来ると——


(逆に気があるんじゃないか?)


いや違うな。


違うわ。


「本当にゴミは焼かれて灰になるべきよ。早く焼かれて死になさい」


「あはは……」


(言いすぎだろ)


周りも少し引いている。

でも——


(関係ない)


今は耐えるだけだ。これも試練。


「はぁ……あなたと話してると気分が悪くなるわ。二度と私の視界に入らないでちょうだい」


「……わかった。ごめん」


ようやく終わった。

長かった。精神的に。

けれど——


誰も助けてはくれない。神宮丸すら、若干引いている。周りはもともと、俺を笑い者として見ている。


(……キツいな)


初日から、かなり重いスタートだった。


「……」


ふと、さっきの言葉を思い出す。

特待生組は、成績優秀で人間性も完璧。


(は?)


完璧……?


そんなわけがない。

完璧な人間なんて、この世に存在するはずがない。

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