表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法少女と黒猫リン  作者: s_stein
第一章 魔法少女世界選手権大会
70/188

70.魔女を狩る魔女

「さて、これで一般人には、この部屋の中は空っぽに見えるから、安心してお話が出来るわよ」


「姉さん。この床にも、当然、結界を張っていますよね?

 奴らが、下の部屋から侵入してくることも考えられますから」


「あら、この間、お椀をかぶせたような結界を張ったマコトとは、違うわよ」


「はいはい。あれは、僕も間抜けでした……」


「みんな、もう少しバラバラに座って。

 いざというときに動きやすいように。

 …………そうそう、それでいいわ。

 ――ええと、何から話をすればいいかしら?」


「ミナお姉様。炎竜ってどんな竜なのでしょうか?」


「ゴジラのようなドラゴンよ」


「ゴジラ?」


「いや、ゴッズィーラね」


「姉さん。冗談は止めましょう。カナが本気にしますから。

 カナ。本当は、姉さんも僕も、詳しくは知らないんだ。

 体の中に宿る話も、初めて聞いたし」


「そうなんですか?」


「とてつもない巨大なドラゴンで、鉄をも溶かす炎を吐く。そういうのがいた、という言い伝えを小さいときに聞いたことがあるだけよ。

 実物はもちろん、写真も絵も見たことがないの」


「僕も同じく」


「そうなんですか」


「マコトの言うとおり、体に宿る話も、今聞いたわ。

 だから、ごめんなさい。

 これ以上は、わからないわ」


「いいえ。

 じゃあ、あのお方(ヽヽヽヽ)って誰ですか?」


「いよいよ、その質問に答えないといけないのね……」


「何か、聞いてはまずいことですか?」


「ええ。名前を口にするのも怖れ慎むべき人物です。

 その名前は、……(くのつぎ)一姫(いつき)


「くのつぎ、いつき?」


「その昔、ヤマト国に邪悪な魔法を操る一族がいて、それを一人で討伐した魔女よ。

 眷属を入れて、百人余りをいっぺんに」


「へー」


「そう言うと女傑(ヒロイン)みたいに聞こえるかも知れないけれど、そのやり方が残虐なの。

 恐ろしくて、とても口では言えないわ。

 討伐後、有名になってからも、悪事を働く魔法使いを何人も手に掛ける」


「一応、正義の味方――なのですよね?」


「そうよ。人殺しが好きな正義の味方よ。

 なんか、変に聞こえるかも知れないけれど。

 それが、戦後――第二次世界大戦後に、少し大人しくなって、凶悪事件を引き起こした魔法使いだけを殺すようになって――」


「えっ? 戦後って、百年以上前の話ではないですか?」


「そうよ」


「えええっ!? いったい、おいくつなのですか?」


「たぶん、二百歳」


「うそっ……」


「会うとわかるけれど、二十代の顔にしか見えないわ」


「人間――ですよね?」


「人間……とは聞いているけれど、今は人間というか、魔物というべきか」


「……」


「さて、あのお方(ヽヽヽヽ)はこれくらいにして、次は何だったかしら?」


「ヴァルプルギスの魔宴のことです」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
cont_access.php?citi_cont_id=62234447&si
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ